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INA輝き人ファイル

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長野県伊那市

■[No.42]井口達さん(37)
いぐち・とおる(福島出身)
声楽家としてドイツを拠点に活動。高校卒業まで伊那市で育ち、東京藝術大学音楽学部声楽科卒業、同大学院修士課程を修了後、ドイツへ渡る。4月29日(土・祝)に約4年ぶりに伊那での公演「歌曲リサイタル四つの詩人の愛」を行う。

▽“感謝と喜び”愛する声楽を人生に
「歌をやめようと思ったことはない。これで良いということがなく、いつまでも勉強する必要があるし、技術・音楽性を向上させていく必要がある。そこに終わりがないことが魅力」。
井口さんは市内の高校を卒業し、東京藝術大学音楽学部声楽科、同大学院修士課程を終えた後、声楽の本場ドイツへ渡りました。学生時代からバッハやシューベルトを歌うことが多く、ドイツ音楽が好きだったことから、ドイツのヴュルツブルク音楽大学でさらに声楽を学びました。
現在はドイツを拠点に、声楽家としてフリーランスで活動しています。オーディションを受けたりコンサートの主催者に連絡したりして自ら道を切り拓き、ブランデンブルク交響楽団やベルリン交響楽団などとの共演、ヨーロッパ各地の音楽祭や教会でソリストとして出演するなど活躍しています。
歌うことは小さい頃から好きで、自然と小学校の合唱部に入っていたといいます。中学でも合唱部に所属し、高校では個人レッスンに通っていました。その他演劇にも興味があり、高校では演劇部に所属していたといいます。「伊那は合唱や演劇などが盛んで、文化的な面でいろいろきっかけを与えてくれたまち。感謝の気持ちがある。そういう機能を、この地域がこのまま持ち続けてほしいし、自分もその一部になれたら嬉しい」と想いを話します。
今年4月に帰国した際には、伊那で3回目となるリサイタルを”ニシザワいなっせホール”で開催しました。「応援してくれる人、お世話になっている人に見てもらえる機会」と、伊那での公演を大切にしています。
クラシック音楽は敷居が高く、よくわからないと感じる人も多いかもしれないが、そんなことはないと井口さんはいいます。「公演に足を運べば、誰でもその人なりの楽しみ方を見つけられると思う。その中で自分の心に触れるものがあって、共感できるものがあって、心が動かされる瞬間があってほしい。また、音楽を好きになって、それによって人生が広がる、生活に彩りが加わる、長い目での楽しみが生まれたらいい」と願っています。
「自分が高めてきたものをお客さんと共有できる時間がある。そこには何ものにも代えがたい喜びがある」と歌の魅力を話す井口さんは、どこまでも理想の歌を追い続け、”20年後、30年後も音楽家であり続ける”でしょう。

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