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公民館報いな-特集 ゆく年くる年 年末年始の行事(2)

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長野県伊那市

■上戸(あがっと)の「でえもんじ」[西箕輪公民館]
「でえもんじ」は、上戸区南部に古くから(元禄時代と言い伝えられている)伝わる、厄除けと五穀豊穣を願う小正月の行事です。
1月14日のまだ暗い早朝、触れ太鼓の音が地区内に響き渡ると、色紙を組み合わせて縫った色紙袋を手に、人々が地区の中心にある三つ辻に集まってきます。そして、長さ約12メートルの柱に、色紙袋や色紙で作られたお花「色紙花」、「青竹」、「御幣」、「酒樽」、「飾り箱」を飾り付け、参加者が協力して柱を建てます。
周りが明るくなると青空に色紙袋が映える「でえもんじ」の柱は、実に見事です。
「でえもんじ」の柱は小正月が終わる20日の早朝に、再び全戸が集まって柱を下ろします。そして、飾られていた色紙袋と色紙花は、それぞれ家に持ち帰り、袋は神棚に花は玄関に、一年間供えておくのが習わしになっています。

■年越しそば打ち会[西春近公民館]
西春近公民館では、令和5年度の新しい講座として「公民館そば打ち教室」を開催しました。教室は月3回の開催で、3回とも受講できる方を募集し、7月から始めた教室の受講者は15名となり基礎から「そば打ち」を学びました。
「せっかく勉強したそば打ちで年越しそばを打ってみたい」との受講生からの声で12月23日(土)に公民館の実習室を開放して、「年越しそば打ち会」を開催します。講師を務めた「春近そばの会」の会員が会場に控え、不安な部分のフォローが受けられる体制も整えています。
家族で過ごすための年越しそばを、「美味しくなーれ」と願いと愛情を込めて手作りします。太いの、細いの、短いのなんでもあり。心のこもったそばに舌鼓をうつことでしょう。

■復活 山室那木沢の獅子舞~伝統文化を自分たちの手で~[高遠町公民館]
獅子舞は、正月行事として高遠町地区をはじめ、多くの地区や集落で行われていましたが、近年はあまり見かけなくなりました。
この伝統文化である獅子舞を高遠町山室那木沢地区の住民が復活させました。
那木沢の獅子舞は、文政(江戸時代)から約200年の歴史があるそうです。1月2日に各戸を巡り、どの家もへぎ(お盆)にご祝儀をのせて獅子舞を迎えていました。
平成のいつからか、舞い手の不足などによりしばらく途絶えていましたが、那木沢地区の若者が中心となり令和3年元旦、集会所と道祖神前で舞う伝統の「那木沢の獅子舞」が見事に復活しました。

♪身は三尺のおのさ持て
悪魔を祓う それからやれ
泰平楽よとあらたまるね♪

こんな囃子言葉をかけながら舞います。
山室ではほかに3地区で獅子舞の伝統を紡いでおり、宮原地区と川辺地区では元旦に、新井地区では那木沢と同様に1月2日に行っています。

■「年越しそば」の復活を願う[長谷公民館]
長谷地区では、大晦日の夜に各地区の神社で「年越しそば」が振る舞われるのが年の瀬の風物詩でした。
会場となる神社には大きな焚火が用意され、「年越しそば」を目当てに来る人や二年参りに訪れる人など多くの人で賑わい、焚火で暖をとりながら話に花を咲かせる光景が見られました。
しかし、人手不足やコロナ禍で人を集めることができないなどの理由からここ数年で「年越しそば」を行っている地区も減ってしまいました。
「年越しそば」には「長寿」の願いや「そばのように家族の縁も細く長く続くように」といった思いが込められているそうです。また、「そば」は切れやすいことから「1年の厄災や苦労を切り捨てて翌年に持ち越さない」という意味もあるそうです。
多くの人で賑わう年の瀬の光景が戻ることを願っています。

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