文字サイズ
自治体の皆さまへ

最期まで自分らしく

2/62

長野県伊那市

いつかは誰もが最期を迎えます。あなたは、人生の最期をどこでどのように迎えたいと思いますか?最期まで自分らしく暮らし続けるためにはどうしたらいいでしょうか?

自身の経験を踏まえ、人生会議やエンディングノート(自分ノート)の作成に取り組んでいる70代のおふたりにお話を伺いました。
向山(むかいやま)さん
池上(いけがみ)さん

■伊那市版エンディングノート「自分ノート」
自分のことを書き留めておくノートです。元気なうちに、自分が大切にしているものや延命治療などへの意思表示をしておくことは、自分だけでなく、家族や親しい方の助けにもなります。
またノートに書き留めたことを、家族や親しい方、介護・医療の関係者と話をしておくこと(人生会議)が大切です。
※「自分ノート」は福祉相談課窓口で配布しています。

▽Q1 どのようなことがきっかけで取り組み始めましたか?
池上:親が病気になった時、話ができるうちにいろいろと聞き取ったことがきっかけです。想いを託すためにはエンディングノートが大切だと強く感じ、自分自身の想いをノートに書き留めています。
向山:3年ほど前から「そろそろ準備をしたいな」と思っていましたが、今年の3月に伊那公民館で行われた「いき方フォーラム」に参加して自分ノートの作り方を教わったことがきっかけです。

▽Q2 具体的にどのような取り組みをされていますか?
池上:いざという時のために、誰が見ても分かりやすいエンディングノートを作っています。
ノートに書くことで、自分がこれからどう生きたいか、また遺される家族への愛情など、残りの人生を見つめ直す良いきっかけとなっています。
向山:お墓のこと、入院が必要になった時の入院セットの準備、その他の大事なものを自分ノートに整理しました。自分ノートは保険証と一緒に持ち歩いています。
自分が今まで生きてきた気持ち、好きな食べ物や、寝たきりになったらこんなテレビ番組が見たいなど詳しく書き留めています!

▽Q3 ご家族や大切な方にノートのことを伝えましたか?
池上:エンディングノートを置いてある場所を教えて、いつでも見てほしいと伝えてあります。自分のことが全て分かるように書いてあり、時々追加や修正をしています。
向山:子どもには実際にノートを見せながら伝えました。子どもは「大賛成、とても良いことだね」と喜んでくれました。元気なうちに話をすることが、本人のためにも周りにとっても良いことだと言ってくれました。

▽Q4 これから準備を始める方に、伝えたいことはありますか?
池上:エンディングノートは家族にメッセージを残したり、身辺整理をしたりするなど、何歳から書き始めても良いと思います。今の自分の希望を伝えられます。いつ何が起こっても不思議ではないので、思い立った時に書いてみてはどうでしょうか。何回書き直しても良いものです。自分が伝えたい、託したい、頼んでおきたい、知ってほしいことは、家族会議で共有しておくことも大事ですね。
「争族」とならないように、ゆっくり準備するのが良いと思います。
向山:世間では「延命治療について急な場で問われた家族が、その場の雰囲気にのまれてしまい本当の気持ちが言えないまま見送ったが、後に心残りになった」という話があると聞いたことがあります。そんな思いをする人がなくなるように、準備しておくことができたらいいのにと思っています。「自分ノート」を勧めた友人からは「ありがとう」と言ってもらいました。

▽Q5 池上さんは地域の講座で講師を務めたと伺いましたが、どのような講座を行いましたか? また参加者の反応はいかがでしたか?
池上:一度、エンディングノートの講演を開催しました。区内へ回覧したり老人クラブや区内のクラブに声をかけたりして、エンディングノートを作る手順や内容について説明しました。エンディングノートは市販のものでなくても綴じ込みファイルや大学ノート、付箋などを使って自分で作ることもできると、具体的な作成方法をお伝えしました。
「なかなか行動に移せなかったが、きっかけになった」という声や「子どもが困らないように元気なうちに書いておく必要性を感じた」などの感想がありました。参加された方のうち、1割程度の方は徐々にエンディングノート作りを進めているようです。

■伊那市在宅医療と介護を考える市民の集い
在宅で受けられる医療は?介護施設ってどんなところ?自分らしく過ごすとは?みんなで考えましょう。

日時:12月14日(土)午後1時受付/午後1時30分開会
会場:市役所 多目的ホール
シンポジウム:「人生の最期まで自分らしく生きる」を考える
座長:伊那市在宅医療・介護連携推進協議会会長 清水(しみず)まゆみ医師(田畑内科医院)
シンポジスト:訪問看護師・施設相談員・伊那市地域包括支援センター職員
入場料:無料
定員:先着順80人(事前申込制)
申込方法:11月1日(金)~29日(金)の間に、福祉相談課窓口、電話、電子申請でお申し込みください。

*****************************
問合せ:福祉相談課 相談支援係

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU