■伊那市誌こぼれ話 第6弾
●ますますその重みが増す「伊那市非核平和都市宣言」
来年は太平洋戦争終結から80年。その反省から、日本国憲法の下で平和を希求してきましたが、最近の国際情勢に目を向けると、紛争や戦争が後を絶たず、核の使用すら危惧される状況となっています。
本市の歩みの中で心強いのは、旧伊那市の議会が、平成元年3月議会で、「非核」の二文字を入れた「非核平和都市宣言」を決議したことです。新市においても、平成18年9月議会で改めて宣言を決議しました。伊那市は「日本非核宣言自治体協議会」に加盟し、平和事業に取り組んでいます。
決議に至ったのは、思想、宗教、政治的な立場を乗り越え、市民が手を携えて、「子どもたちに戦争も核兵器もない平和な社会」をつくろうと願う市民運動がきっかけになりました。現在もこの精神を受け継ぎ、毎年市内各地で、戦争に関する学習会や特別展、平和祈念式典などが開催されています。
▽非核平和都市宣言に関する決議
平成18年9月21日 伊那市議会
世界の恒久平和は、人類共通の願いである。しかし、この願いに反して、世界には人類の生存に大きな脅威を与える核兵器が数多く存在し、また、今なお世界各地で武力紛争、テロ行為が絶え間なく続き、人類の平和が脅かされている。わが国は世界唯一の核被爆国として、また、平和憲法の精神からも、核兵器の廃絶をはじめ、非核三原則を厳守し、軍備縮小の推進に積極的な役割を果たすべきである。
よって本市は、平和で住みよい世界を願い、ここに伊那市を「非核平和都市」とすることを宣言する。
以上、決議する。
問合せ:市誌編さん室
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