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自治体の皆さまへ

農業委員会だより(1)

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長野県伊那市

発行:伊那市農業委員会

■獣と戦う
農業委員 宮下由紀夫(みやしたゆきお)

長谷の地形は、東と西に山を抱えています。そして、そこは獣の楽園の地であり、特に、市野瀬はその山々が近く河原田は獣の格好の餌場なのです。
私は、昨年罠の免許を取り獣の捕獲の活動をしていますが、獣の個体数は確実に年々増えており、猿、鹿、サギが発生し、農作物への被害が大きくなっています。
西の山からは、田植えをすると時期を見計らって鹿が稲の頭を食べてしまいます。ソコソコ育つと猿が群れで降りて来て、まだ固まらない穂をむしって食べに来て、その時、稲を倒していくのです。ひどい時は、山側の田んぼが北から南までほぼ1キロ約5メーター幅で倒されてしまうのです。東の山からも、三峰川を渡り堤防を駆け上がり、毎夜田を駆け回り、稲が踏み込まれてしまいます。
そして、収穫前になると直径十メーターから十五メーター幅で稲を倒して寝床にします。今年は五枚の田んぼがやられました。
更に、今年は、イノシシがミミズを食べに田んぼに来て、畔を掘り返したため、更に二十枚ほどの田んぼがやられてしまいました。畔をかなり壊されたため、来年の春までに直さなくてはならなくなりました。
また、畑でも、猿、鹿のほかにハクビシン、アナグマが出没し丹精込めて作った野菜を食べられてしまうため、柵で囲い野菜を作ったり、出てくる所を見込んで罠をかけましたが、大きな効果はありませんでした。
収穫の秋を迎えていますが、この地域では、「栗がなる、柿がなる、猿がなる!」のです。皆さん、鹿がキノコを食べ、猿がシイタケを食べるのも覚えておいてください。
この地域では、昔から獣との戦い繋いできましたが、獣も利口ですし、個体数も増えているのが実感するところです。
獣害は、作物への被害と共に、農家が作る意欲をなくす精神的ダメージを大きく与えます。
今後も、獣の計画的な駆除や対応策をとり、それぞれの農家の営農ができ、地域農業が継続できるように活動していきたいと思っています。

■「伊那市の農業施策に関する意見」の提出
法律の規程により、今年度の意見書を11月28日(木)に白鳥市長へ提出しました。意見と要望についてポイントを報告します。

▽地域担い手・営農組織への支援
・新規就農者、JA研修生、親元就農者などへの制度等の紹介、地域への橋渡しについて
・集落営農組織との意見交換での事業等紹介や要望に対する対応について
・農業振興センターでの農政施策の情報収集と的確な発信について
・環境、食に優しい農業への取り組みについて
・集落農業振興センターの活動と委託料の扱いについて
・目標地図の見直し作業への関与について

▽営農の継続・農地の保全
・狭小圃場解消のため市単事業の整備について
・基盤整備、付帯施設の更新や修繕の計画的な実施について
・農地中間管理事業の事務簡素化への要望活動について
・工業団地拡張時の平地林或いは窪地等条件不利地の利用について
・農地付き中古住宅購入、週末農業等による新たな営農者の確保について

▽地産地消
・地元農作物の保育園、学校、飲食店へ繋がる月一イベントについて

▽有害鳥獣対策
・計画的な捕獲及び駆除について
・森林整備による効果について

▽地区から
・御園アクセス沿いの未来法計画案に対する市の関与について

▽農業委員会事務局
・業務増加による人員増について

伊那市からの回答は、令和7年1月末を予定しています。
対応については、現在の農業委員会委員等の任期が、令和7年3月末のため、新(第26期)農業委員会委員等へ引き継がれます。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

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