公民館で「長野県の方言を勉強したい」という希望が出て、調べてみると、これが実に興味深い。
NHKの「21世紀に残したいふるさとの言葉」と銘打ったアンケートに寄せられた方言が延約7万5000語で、最多は長野県の1万0882語と圧倒的な多さ。長野県人の方言に寄せる愛着・関心の高さがうかがえます。長野県のベスト3はというと、うんうんと頷けるものばかりです。第3位は「もうらしい」、上伊那では聞き慣れないという方もいるかもしれません。「かわいそう」という意味で、明治生まれの亡き祖母に言わせると「おやげねえ」となりましょうか。第2位は「ずく」、これは上伊那でも定番です。「精出す気力」と解説されていましたが、標準語では伝え尽くせない芳醇な意味を持つ言葉です。そして栄えある第1位は「ごしたい」でした。
私の少年時代は「びしょったい」「ぞぜえとる」「みやましい」などが行き交い、伊那谷ならではの日常生活を作り出していました。そんな時代をひとっきり懐かしむ方言講座となりました。
西春近公民館長 浦野博(うらのひろし)
<この記事についてアンケートにご協力ください。>