■伊那市農業施策に関する意見書への回答がありました
伊那市農業委員会は、農業者の声を市政に反映させるため、令和5年12月に意見書を伊那市長へ提出し、3月に市から回答がありました。主な内容は次のとおりです。
▽(1)担い手や後継者の育成・販路開拓について
意見:土地利用型農業を目指す新規就農者へは、しっかり支援し、地域担い手へと育成していって欲しい。
回答:新規就農者への研修期間、機械や設備等の支援は、国・県の補助事業で対応しています。JA上伊那の農業インターン制度では、JAと市で経費負担し支援に当たっています。認定新規就農者へは、市単の農業機械等導入事業での支援を行っています。
意見:有機減農薬等への取り組みは。付加価値のついた米や野菜は、市内保育園・小中学校への提供を進めて欲しい。
回答:認証制度は、長野県の認証を取得できるように支援していきます。令和4年度から伊那谷有機農業塾を開催し、活動している農家に徐々に広がってきています。令和6年度は、有機米を給食に試験的に使用してもらえるように進めます。
▽(2)地域計画(目標地図)について
意見:地域担い手の規模拡大を希望する者へは、集落の会議への出席を案内できているか。機構集積協力金をとりたい地区への支援をして欲しい。
回答:担い手が地域の会議に参加することは双方にとって有益であるので、次年度は注視していきたい。機構集積協力金を取りたい地区とは、相談等から支援している。
意見:次年度から更新作業となるが、市の方針を示し進めて欲しい。手当等はあるのか。
回答:毎年お願いしていくことになるため、市の方針を示し進めていく。手当等は、農業振興センター予算で対応する予定です。
▽(3)組織・体制作りについて
意見:市の農政業務を補助する出先機関を作るとのことだが、地区ごと事務分担・業務量の調整をとり進めて欲しい。
回答:地区農業振興センターの事務局体制を検討していますが、各地区の事情を踏まえ、できる地区から順次調整を進めています。
意見:農地パトロール等現確のやり方を見直していく。農政情報の共有をして欲しい。
回答:衛星画像やドローン画像を基に合図として、農林部で業務に使用していきます。
意見:第26期農業委員は、女性農業委員を増やす取り組みが必要である。
回答:各種委員選出にかかる依頼の折には一文を入れたり、機会をとらえて広報・啓蒙活動を行っています。
▽(4)法令・制度について
意見:「農ある(田舎)暮らし」、UIJターン者の確保は、新規就農者の確保や、営農の継承に繋がる一面がある。
回答:今後も移住定住担当部署とも連携しながら、伊那市に移住し農に関わる人を増やせるように取り組みます。
意見:企業等の農業参入は、地域農業の一助となると捉えている。市の方針を示し進めて欲しい。
回答:きちんと営農を行ってくれる企業を積極的に誘致し、支援していきます。
意見:既存の農業用施設は、昔の設置基準で老朽化が進んでいる。近年の豪雨は、想定を超え各地に被害が出ている。
回答:国の補助事業を活用し、県・市・土地改・水利組合で取り組んでいるが、数が多く補修等が追い付いていないが、施設個別計画により計画的に進めていきます。
▽(5)鳥獣害対策について
意見:有害鳥獣の被害は、被害額に現れないが、耕作放棄や営農の断念など影響が出ている。計画的に駆除等進めて欲しい。
回答:伊那市有害鳥獣対策協議会において捕獲数を決定し、各地区の猟友会と連携し捕獲を進めています。侵入防止柵や捕獲檻設置は、国事業・市単事業により支援を進めていきます。
▽(6)地区に特化した問題について
意見:伊駒アルプスロード工事に当たり、農機具の移動や、収用後の残農地管理など支障が出ないように、農家に配慮した計画で進めて欲しい。
回答:天竜川渡河部(下牧〜田原)を先行整備区間として事業を進めており、用地取得にも説明会を通じて地権者、地元関係者の意見を聞きながら設計条件を決めてきました。収用後の残地に対応するため、ほ場整備の補助事業を新設し対応しています。
●農地の貸借の利用権設定について
農地の貸借は、貸付人(所有者)と借受人(耕作者)の同意の上での手続きが必要になります。
・「農業経営基盤強化促進法」に基づく相対は農業委員会
・「農地中間管理事業」の貸借は、JA上伊那中部営農センターで受付を行っています。
★貸借終期を迎え更新の際、新規設定の際は、できるだけ「農地中間管理事業」での手続きをお願いします。
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