■伊那市誌こぼれ話 第5弾
本年4月、南アルプス林道バス北沢峠線が「南アルプスクイーンライン」と名称を変え、運行を開始しました。
昭和42年の着工以来、13年の歳月をかけて完成した南アルプス林道について、南アルプス林道開発促進期成同盟会長でもあった三澤功博元伊那市長の言葉を紹介します。
▽南アルプス林道開通に寄せて
昭和55年8月号市報(要約)
地元である長谷村と共に、上伊那の地域にとって重要な関心事であった「南アルプス林道」がようやく完成した。自然保護か開発かとの論争の中で全国的な注目を浴び、中止せざるを得ないと思われるときもあったが、県との協議により、長谷村が直接管理を行う村営バスを通すことで、ようやく56・9キロの全線が開通した。
南アルプスの主、竹澤長衛翁が口ぐせのように言っていた「仙丈の、この大自然を年寄り、女性、子どもにも見せてやりたい」との願いが、ようやく叶うときが来た。朝夕仰ぎ見る南アルプスの自然に接し得る道が開け、全国的に南アルプスの宣伝になった。
この道が、将来、この地帯に住む人々の心の糧となり、入野谷の人たちの生活の支えになるものと確信している。
問合せ:市誌編さん室
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