■時代の変化を捉えた、官民共創の新しいまちづくり
伊那市長 白鳥考
あけましておめでとうございます。市民の皆さまにおかれましては、輝かしい初春を迎えられたこととお慶び申し上げます。
▽新しいまちづくり
長野県が進めている高校再編をひとつの契機として、伊那市の新しいまちづくりがスタートしました。昨年9月に発足した「官民共創の新しいまちづくり協議会」では、伊那北駅周辺の再生整備、伊那弥生ケ丘高校の将来活用、伊那市駅から伊那北駅に加え、竜東地域を含めた市街地エリアのまちづくりの検討が始まっています。今年は、若者や地元の企業・商店街など、多様な皆さまとの対話や繋がりを深めながら、具体的な事業に結び付けていく大切な年になります。人々が集い、快適で豊かに暮らせる新しいまちづくりを、市民の皆さまと共に進めてまいります。
市街地におけるまちづくりに加え、市内幹線道路網の整備促進が伊那市の重要な課題です。三遠南信自動車道の開通やリニア中央新幹線の開業に向けて、その整備効果を大きなものとするため、国道153号伊那バイパス・伊駒アルプスロード・環状北線の整備、国道152号の改良事業などを着実に推進します。また、近年多発する豪雨災害への対応も急務となっています。天竜川流域に暮らす全ての人の生命や財産を守るため、流域が一体となって「戸草ダム」の建設再開に向けた積極的な働きかけを行い、災害に強い地域づくりを進めてまいります。
▽漏れのない福祉、一気通貫の子育て・教育支援
コロナ禍を乗り越え、以前の日常が戻ってきたものの、長引く物価の高騰が私たちの生活に大きな影響を及ぼしています。伊那市では、物価高騰対策や経済対策として、子育て世帯、高齢者世帯、農家の皆さまなどへの支援を幅広く実施してまいりました。これからも支援を必要とする全ての方に光を届けるべく、漏れのない福祉を推進してまいります。
また、コロナ禍を経て、豊かな暮らしやより良い教育・子育て環境を求め、移住する方が増加する中、子育て支援や教育に特色のある伊那市は、全国から注目されています。市では、本年4月に「こども部」を新設し、これまで以上に子育てから教育まで一気通貫の支援を実現します。さらに、教育先進国であるフィンランドとの連携を通じ、生きる力を育む教育の実践にも注力したいと考えています。教育、子育てをはじめとする伊那市の魅力を一層高め、積極的に発信し、関係人口の増加や移住定住促進にもつなげてまいります。
▽「食」・「水」・「エネルギー」を自給する持続可能な地方都市
伊那市は一次産業を中心に据え、その上で各種産業が発展し、「食」・「水」・「エネルギー」を自ら賄う持続可能な地方都市を目指して、引き続き「伊那から減らそうCO2!!」や「50年の森林(もり)ビジョン」などの取り組みを推進してまいります。環境意識の高まりとともにペレットストーブやペレットボイラーが普及し、燃料となる木質ペレットの需要が全国的に高まっています。現在、国の「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金」を活用し、ペレットの増産に向けた施設整備を進めています。設備の稼働に必要な電力も自前の木質バイオマス発電で自給する、循環型の施設が今年稼働する予定です。
地域を取り巻く環境は、大きく変わろうとしています。こうした時代の変化を捉えながら、市民の皆さまと一緒に「伊那に生きる、ここに暮らし続ける」というビジョンを実感できる市政を推進してまいりますので、ご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
結びに、市民の皆さまにとりまして輝かしい一年になりますようお祈り申し上げ、年頭のごあいさつといたします。
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