■根木谷観音堂(ねぎやかんのんどう)
今回は、富県北福地区にある「根木谷観音堂」というお堂を紹介します。
「根木谷観音堂」は、北福地根木谷常会にあるお堂です。現在は、地区の集会所として使われています。お堂の中には、寛政11(1706)年に開眼された白衣観音様が本尊として安置されています。
また、お堂の天井は格天井となっており、白衣観音や龍、馬など様々なものを題材とした136枚もの絵が描かれています。絵は地元の旧富県村から旧東春近村、旧高遠町まで、幅広い地区の多くの施主さんから寄進されたものであり、観音様が当時の人々から大切にされていたことが伺い知れます。
さらにお堂の中には、明治時代の伊那の俳人「田中希世起」が奉納した「俳額(俳句額)」が飾られています。俳額には、松尾芭蕉とその前に車座になって芭蕉の教えを受けている弟子たちの様子が描かれており、続いて当時の俳人たちが作成した208もの俳句とその居住地が書き並べられています。この俳額は、当時の文化を知る上での貴重な資料となっており、また多くの俳句を作った俳人たちの情熱の強さを感じることが出来ます。
皆さんの近所にも、貴重な歴史・文化遺産があるかもしれません。お住まいの地区を探索し、新たな発見をしてみませんか。
参考資料:平成13年度北福地公民館事業「北福地の昔を訪ねる会」の文章より
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