少子化や教員の働き方が社会問題化しています。将来にわたり子どもたちのスポーツや文化芸術活動の機会を確保するため、全国的に進められている部活動の地域移行について、現状をお伝えします。
▽グラフ 子どもたちの部活動に対する願い
◆検討を重ねる部活動地域移行
国では、令和5年度から7年度までの3年間を部活動地域移行の改革推進期間として、まずは休日における部活動の地域への移行に向け、全国で実証事業を進めています。
地域によっては参考となる事例が多数出てきている一方で、体制整備、指導者確保、費用負担の在り方など課題もさまざま。6年8月に国が設置した「地域スポーツ・文化芸術創造と部活動改革に関する実行会議」でこれらの課題について検討を重ね、7年の春頃に新たな方針案が示されます。
◆三つの対話の場で検討
本市では、関係者を中心に検討を重ねて課題や今後の方針などについて共通認識を持ち、国から新たな方針が示されたときなどに素早く対応できる体制を整えるため、三つの対話の場を設置しました。
このうち、本市が独自に設置した「種目別地域移行検討会」では、顧問、外部の指導者、スポーツ協会・スポーツ少年団などの地域クラブ関係者が集まり、種目特有の課題を整理し、必要な方策などを一緒に考えています。
どの種目でも話題になるのは、会場・指導者・移動手段の確保や費用負担などで、学校や行政の力だけでは解決することが困難な課題が多いです。今後は、国や県の支援を受けながら「地域の子どもたちは、学校を含めた地域で育てる」という考え方の下、地域が一丸となって取り組んでいく必要があります。
◆8年度末までに休日の活動を移行
6年6月に市内中学校に在籍している1・2年生を対象に行ったアンケート結果(グラフ参照)を見ると、部活動に求める願いは多様化していることが分かります。子どもたちの願いを叶えるためには、部活動だけではなく、願いに応じたさまざまな活動の場が必要になります。
本市では、公益財団法人日本サッカー協会(JFA)のビジョン(下図参照)などを参考に、子どもたちの願いや成長に応じた活動の場の確保や本市としての支援策について検討していきます。そして、まずは県の目標である8年度末までに、休日の部活動が地域移行できるよう取り組んでいきます。
▽図 本市が参考にしている部活動地域移行のビジョンイメージ
出典:JFA「地域移行に対するJFAのビジョン『ありたき姿』」
■本市における三つの対話の場
◆中学校部活動地域移行等協議会
本市全体の課題や方向性を協議
◇開催状況
8月:第3回協議会
7年2月:第4回協議会(予定)
◆種目別地域移行検討会
競技種目の課題について協議
◇開催状況
6月:ソフトテニス
7月:バレーボール、バスケットボール
8月:陸上、サッカー
9月:吹奏楽、野球
10月:剣道、バドミントン、卓球
◆スポーツ・文化芸術活動運営委員会
学校単位の活動について協議
◇開催状況
4月:塩尻中学校、塩尻西部中学校、広陵中学校
5月:丘中学校、楢川小中学校
8月:両小野中学校
■[教えて!]部活動総括コーディネーターに聞く
◇[聞きます]高校生広報アドバイザー 田川高校 小岩井 一さん
行政広報の堅苦しさの打破を目指し、高校生広報アドバイザーに就任している田川高校の生徒。
◇[答えます]部活動総括コーディネーター 中沢 寛
部活動を地域にただ移すのではなく、地域と共に創っていく中心となるコーディネーター。
▼部活動地域移行とは何ですか?
学校で行っていた部活動を、地域のクラブなどに協力していただきながら地域全体で支える仕組みに変えることです。国は7年度末までに、県は8年度末までに、まずは休日の部活動を地域クラブへ移行するという方針を出しています。
▼塩尻市ではどのような取り組みをしていますか?
本市では、県の方針に沿って8年度末までに休日の部活動を地域クラブへ移行できるよう計画を策定し、「対話」に重点を置いた推進体制を組み、検討を進めています。現在は、休日に部活動を行っている種目を中心に種目別地域移行検討会を開催し、関係者と話し合っています。
▼希望する種目のクラブが塩尻市にない場合は?
種目によっては、他市町村にある地域クラブで活動することも認められています。ただし、なるべく市内で希望する種目の活動ができるよう、検討を進めていきます。
■部活動地域移行に関する本市の取り組みの状況などを公開しています。
部活動地域移行に関する取り組み状況の詳細を、下のコード(各ホームページ)で公開しています。部活動地域移行に関するご意見などを、ぜひお寄せください。
※詳しくは、本紙またはPDF版をご覧ください。
問合せ:学校教育課児童生徒支援係
【電話】0263-52-0280(内線3113)
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