地域の特色を生かしたさまざまな取り組みが行われている、本市のコミュニティ・スクール。今回は片丘小学校の取り組みをご紹介します。
◆地域と学校が協働して、育みたい子どもの姿を目指す
コミュニティ・スクール(CS)は、地域の皆さんの声を学校運営に反映させながら、地域と学校が同じ方向を向き、力を合わせて地域の子どもを育むための仕組みです。
本市のCSでは、関係者との対話を通して「育みたい子どもの資質や能力」を考え、共有し、地域と学校が協働して教育活動を行っています。育みたい子どもの資質や能力の実現は、地域と学校で力を合わせた「たし算・掛け算の教育」が欠かせません。
これまでに地域との連携・協働によるキャリア教育部門で、両小野学園、市教育委員会、桔梗小学校、楢川小中学校が文部科学大臣表彰を受けました。今年度で9年目となる本市のCS。市内各小・中学校では、それぞれの地域の特色や特性を生かしたCSの活動が広がっています。
◆地域の記念日を目指して地域住民と協働開催
片丘小学校は、令和5年に開校150周年を迎えました。子どもたちや保護者、教職員、地域住民が協力して周年記念事業を実施。多くの人が来校し、150年の節目を祝いました。
参加者からは、「子どもが卒業して学校に来る用事が無くなったが、このような機会があればまた来たい」などの声が多数あり、実行委員会では片丘小学校が地域に愛されている学校ということを認識。「10年後の160周年まで待つのはもったいない」と、「つながろう片丘開校記念の日」という毎年地域が一つになれる日を決定しました。子どもたちと地域住民が協働で、誰でも自由に集える地域の記念日になることを目指しています。
◆子どもたちの伝える力や発信力が向上
今年は「つながろう片丘 開校記念の日」を10月12日(土)に開催しました。芝がある中庭では、3年生によるささら踊りや保護者の有志で結成されたアニバーサリー楽団の発表。教室では各学級で取り組んでいる学習の発表。その他、片丘公民館や地域住民と協力してミニゲームのブースを設けるなど、さまざまな催しが行われました。実行委員会には、保護者などの働く世代も積極的に参加し、一層の盛り上がりを見せました。
子どもたちは訪れた人に向けて学習の成果を発表。伝える相手が友達や教職員、保護者だけだったところに「地域住民」が加わったことで、どのように伝えたら楽しんでもらえるのかを考える力が育ちました。また、単に学習をするだけではなく、学習内容を「発信」する力も付いてきています。
◇片丘小学校6年 小松 來未さん(北熊井)
児童と保護者だけでなく、地域の方とも全員で交流ができてとても楽しかったです!
◆さまざまな活動を基盤に、これからも継続
片丘小学校では、これまでに地域ボランティアと一緒に野菜栽培をしたりトウモロコシを焼いて食べたりするなどの行事や、公民館コンサートを行ってきています。多くの地域住民の協力があるからこそ「つながろう片丘開校記念の日」は、さまざまな人の力がつながり開催することができました。
これからも、地域と学校で協働し、地域とともにある学校づくりを行っていきます。
■コミュニティ・スクールは市内各小・中学校で活動しています
本市では、各小・中学校でさまざまな活動を行っています。今回取り上げた活動のほかにも、各地区で面白い取り組みが行われています。詳細は本紙のコード(市ホームページ)をご覧ください。
■ー丘中学校の生徒の挑戦ー
地域のイベント企画や支援を行う地域貢献サークルDusk。「つながろう片丘 開校記念の日」では、手作りソーダ水の配布と宝探しゲームの企画・運営を行いました。
ソーダ水の配布では、能登半島地震の義援金募金を実施。大人には寄附のご協力をいただきました。宝探しゲームも多くの子どもたちが参加し、どちらも開始前から行列ができるほど大盛況でした。
参加した中学生は「企画・運営を自分たちで行ったため成功するか不安もありましたが、やってみることで自信につながりました。成功して良かったです」と笑顔を見せていました。
■Interview 「つながろう片丘 開校記念の日」を振り返る
◇地域とともにある学校へ―片丘小学校運営協議会 会長 小松 秀樹さん(北熊井)
子どもが一生懸命に生き生きと参加しており、子どもたちを囲む来場者の笑顔が素晴らしかったです。同日開催した片丘公民館主催の夕やけの丘コンサートでも、子どもから多くの感動をもらいました。
「地域の子どもたちは地域みんなで育てていく」。それが地域づくりや地域とともに育つコミュニティ・スクールにつながっていくと思います。
◇地域の大切な日、継続を―つながろう片丘 開校記念の日 実行委員会 委員長 藤澤 伸也さん(南内田)
実行委員会では、開校記念の日の企画・運営を行いました。芝がある中庭で行われたコンサートは、校舎の2階からも鑑賞できるため、大盛況。雲一つない晴天で写真映えしていました。
日ごろ、子どもたちを支えてくださっている地域の皆さんの活動が、一つの場所でつながったと感じます。地域の大切な日として、今後も続けられたら良いと思います。
問合せ:学校教育課教育企画係
【電話】0263-52-0280(内線3111)
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