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自治体の皆さまへ

[特集]手話がつなぐ心(2)

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長野県塩尻市

■Interview
◆ろう者の生き方を知ってほしい
塩尻市聴覚障害者協会 手話要約担当 森下尚子さん(野村)
私たちが手話言語条例の必要性を感じてから、約7年。長年の思いが実り、条例が可決した瞬間はうれしかったですね。「やっと作ってもらえた」という気持ちでした。
そもそもどうして条例が必要なのか。それは、聞こえる人たちは、「聞こえない」という世界を知らないからです。例えば、「聞こえない」ということを考えてみてください。街を歩く時、電車に乗る時、家で過ごす時…。自分が聞こえないということを想像できるでしょうか。
手話は、外国語と同じで一つの言語です。単なる身振りではありません。手話と要約筆記の違いや、ろう者という言葉を知らない方もいます。なので、条例が必要だったんです。条例というのは、いわば地域の法律です。地域が一丸となって、「手話」という言語を認識するために必要なものなんです。

◇誰もが手話を学ぶ地域へ
条例ができて満足ということではありません。聞こえる皆さんが、私たちろう者の暮らしや生活のことを、どれだけ理解していただけるかも大事だと思っています。条例をきっかけに、誰もが手話を学ぶような地域になってほしい。その先にあるのは、私たちの生き方、つまり「ろう者としての生き方を知る」ということだと思います。

◆手話は、もう一つの日本の言語
塩尻市聴覚障害者協会 会長 清水喜佐男さん(野村)
塩尻市聴覚障害者協会では、毎月、全国や県の団体からの情報を共有したり、手話教室の計画や、最近では協会設立40周年イベントなどについて話し合ったりしています。
手話教室には市長や議員の皆さんの参加もあり、とてもうれしいですね。すぐにすべてを理解するのは難しいと思いますが、勉強は続けてほしいです。この教室により、手話でコミュニケーションしやすい地域共生社会をつくっていきたいです。
また、手話はもちろんですが、ろう者について知る機会を広げることが大切です。例えば、国際連合が定めた毎年9月23日の「手話言語の国際デー」。昨年、私たちもブルーライトアップのイベント(本紙2ページ参照)を行いましたが、こういう啓発イベントを定期的に行うことで、理解が広がるよう頑張っています。

◇小・中学生にも知ってほしい
条例によって、聞こえる皆さんが話す言語の他に、もう一つの言語の「手話」という位置付けができました。条例の施行からまもなく3年ですが、これで終わりではありません。学校にパンフレットを配るなど、小・中学生にも手話を普及していきたいですね。ろう者が手話を使いやすい環境づくりを推進し、すべての人が共に生きる社会を築くため、私たちは今後も取り組んでいきます。

■手話を学ぼう
◇よろしくお願いします
「良い」と「お願い」の二つの手話を続けます。
(1)「良い(よろしく)」は、親指側が手前の握りこぶしを鼻の前方少し動かします。
(2)「お願い(します)」は、握りこぶしを開きながら、顔から少し前方に出します。

◇こんにちは
(1)顔の下で、両手の人差し指を向かい合わせて立てます。
(2)指を内側に折り曲げ、にっこり笑顔。人と人が向かい合って、お辞儀をしている様子を表しています。相手と目を合わせて、にこやかに表しましょう。

◇ありがとう
(1)胸の前で片方の手の平を下にして、手の甲にもう片方の手の小指側を垂直に当てます。
(2)上の手を軽く上げ、笑顔で相手の目を見てにっこり。右手、左手の決まりはありません。

※動画でもご覧いただけます。(本紙2次元コード参照)

◆資格取得に必要な費用を補助します
手話通訳者や要約筆記者の資格を取得して地域で活躍しようとする市民を対象に、資格取得に必要な特定の講座の受講料や教材費、受験料、交通費を補助します。
対象:市内に住所がある人
補助額:
・資格取得に必要な講座受講料と教材費の2分の1
・資格取得に必要な試験の受験料の2分の1
・上記の講座の受講や試験の受験にかかる交通費について、1日当たり上限2,000円
申請方法:講座受講や試験の申込後、申請書を記入の上、必要書類を添えて福祉支援課へ提出してください。講座などの終了後にも必要書類の提出をお願いします。
※詳細は本紙2次元コード(市ホームページ)でご覧ください。
※市では、手話を基礎から学べる「手話奉仕員養成講座」も開催しています(塩尻市社会福祉協議会に委託)。詳細は広報塩尻3月号に掲載予定です。

問合せ:福祉支援課障がい福祉係
【電話】0263-52-0280 内線2123

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