小海中学校 1学年副担任 二ノ宮美国
「教えたがりは職業病かもしれません」
今年度より小海中学校でお世話になっています。小海町に初めて訪れたとき、最初に出会ったのは、人ではなく馬流駅の「マナニャン」という猫だったことを覚えています。
私事ですが、弟夫婦が先日、我が家を訪れました。その際、絵しりとりやカードゲームに興じ、楽しく過ごしていたところ、ふと学生時代の話題になりました。それぞれ英語が得意だとか、図書館で勉強している自分に酔っていただとか、ノヤマニマジリテタケヲトリツツだとか、皆が黄金の学生時代を振り返っていました。そこに、あれ?数学は?なんて水を差すものだから、皆の笑顔が曇ってしまいました。残念ながら皆の輝かしい思い出の中に数学は入っていないようです。
数学は中学で挫折したという弟に、こういう変なかっこの式は覚えてる?そこから連立方程式の授業。これが加減法。「そうやって教えてくれれば俺でもわかる」「ちゃんと教えてくれなかった先生が悪い」なんて勝手なことをいっていましたが、当時の先生もちゃんと教えたはずです。
同じように教わって昔は挫折したのに、今はなぜわかったのか。これは弟がわかろうとしたからなのだと思います。知りたくないことを無理に教えても暖簾に腕押し猫に小判。きっと教師はどう教えるかより、いかに子どもの興味をひくか。知りたい、わかりたいと子どもに思わせる発問。それが一番大切で、考えてみたらそれが一番難しいことだと、ふとした日常に改めて教えられました。
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