保健室だより

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今号の担当：保健師　太田

■木祖村の健康事情
○はじめに
令和5年5月に市町村別の平均寿命が発表されました。
木祖村は男性が82.2歳、女性が87.8歳。5年前と比べると男性が0.5歳、女性が0.1歳延びています。
日本は男性が81.5歳、女性が87.6歳。日本も木祖村も長寿になっています。
そこで今回は、平均寿命のほか、最近の村の健康事情について、お話しさせていただきます。

○どんな病気で受診されるのか?
国民健康保険加入者634人と、後期高齢者医療制度加入者655人のデータをみると、1人当たりの医療費は後期が国保の2倍を超えます。
国保も後期もがんや循環器疾患で受診される方が多く、後期になると増えています。
村と長野県全体とを比較すると、国保はがんや循環器疾患(高血圧症)が多く、後期では循環器疾患(脳梗塞、高血圧症)や精神疾患、筋・骨格疾患が多いことがわかっています。

○どんな病気で介護が必要になるの?
65歳以上では廃用性症候群※が最も多く、次いで認知症となっています。
40～64歳では65歳以上に比べ、脳血管疾患、がんの割合が高くなっています。
※廃用性症候群とは?…過度に安静にすることや、活動性が低下したことによる身体に生じた様々な状態

○どんな病気で他界されるのか?

国と比較し、老衰が増加し循環器疾患(心疾患、脳血管疾患)が減少しており、あとはがんの減少が望まれます。

出典：
村データ　死亡原因統計H22-R4
国データ　人口動態調査、人口動態統計、年齢調整死亡率H22-R3より

がんの部位で多いのは

出典：国データ　人口動態調査　人口動態統計　悪性新生物による主な死因別にみた死亡率H22.R3より

男性の上部消化管(主に食道)が多く以前より増加傾向。食道のがんの原因は飲酒と喫煙と言われています。
また70歳未満では循環器、がんの順。循環器で多いのは脳出血、虚血性心疾患。がんの部位で多いのは肺、大腸、膵臓の順です。

○みなさんの気持ちは?
以上が、木祖村の健康事情です。
長寿になってきてますが、県や国など、ほかの地域と比べると、課題が多いこともわかります。
みなさんは、健康で長寿がいいですよね!(違うと言われると、話が進みませんので、そういうことにしておいてください。)
世界の保健所であるWHOが健康とは「病気でないとか弱っていないということではなく肉体的にも、精神的にも、そして社会的にもすべてが満たされた状態にあること。」と言ってます。みなさんは今、健康ですか?
今後、さらに健康で、長寿になっていくには、このような課題を解決していく必要があります。

○検診にいきましょう!
健康で長寿になる方法を一つ紹介させていただきます。
木祖村に多いがんという病気は、早期発見早期治療が効果的です。
木曽病院小泉知展医師が、国立がん研究センターがん情報サービス院内がん登録生存率集2014年を解析した結果によると「胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮がんは、検診でがんを発見された方のほうが、自覚症状等による発見よりも、5年後の生存率が高い。」そうです。また2017年の韓国の研究(「Effectiveness of the Korean National Cancer Screening Programin Reducing Gastric Cancer Mortality」)では「未受診者に比べ、胃内視鏡検診受診により、胃がん死亡率が47%減少したことが報告」されています。
木祖村では、各種がん検診も実施しておりますが、内視鏡検査などを単独で受診していただいた場合の補助事業として部位別がん検診補助事業も実施しております。ぜひご活用ください。
ほかにも健康で長寿になる方法はいっぱいありますが、詳しく知りたい方は保健係まで。
ということで、みなさん健康で長寿を目指すなら…そうです!検診にいきましょう!

お問い合わせ：木祖村役場　住民福祉課(保健係)
【電話】36-2001【FAX】36-3344【E-mail】hoken@kisomura.com