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自治体の皆さまへ

保健室だより

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長野県木祖村

今号の担当:保健師 小坂

■一生自分の歯を使い続けるために
みなさんは自分の歯が何本あるかご存知ですか。また、日頃から1日3回歯磨きをしていますか?歯と口は「食べる機能」と「会話をしてコミュニケーションを取る機能」に関係があります。どちらも大切な機能です。そこで今回は、歯と口の健康についてご紹介します。

◆歯を失う原因
歯を失う二大原因は「むし歯」と「歯周病」です。第3位の「破折」の多くは無髄歯(神経をとった歯)であると考えられ、その原因はむし歯であるとみなすことができるので、むし歯由来は約5割となり、歯を失う最大の原因となります。比較的若いうちはむし歯で失われることが多いですが、残った歯が少なくなるにつれて歯周病で失われることが多くなります。また、一般的に歯は奥歯から失われる傾向にあります。つまり、「むし歯」と「歯周病」の対策が、自分の歯を使い続けるための秘けつということになります。

出典:厚生労働省「歯の喪失の原因」

◆歯周病とは
歯と歯ぐき(歯肉)のすき間である歯周ポケットから侵入した細菌が、歯肉に炎症を起こしている状態(歯肉炎)と、細菌が歯を支える骨(歯槽骨)を溶かしてグラグラにさせてしまう状態(歯周炎)を合わせて「歯周病」と言います。一方「むし歯」は細菌が作り出す酸によって歯が溶けて穴があく病気なので、「歯周病」と「むし歯」は大きく異なる病気です。歯磨きが十分でないと、歯垢(プラーク)が歯と歯ぐきの境目に増えていきます。プラークには、1mgあたり1億個以上の細菌が含まれていて、この細菌が歯周病の原因となります。したがって、歯周病は歯磨きの仕方が十分でない方に起こりやすいと言えます。

出典:厚生労働省「歯周疾患の自覚症状とセルフチェック」

◆歯周病のセルフチェック
歯周病は進行するにつれて、自分でも気がつくような症状がしばしば現れますが、初期の段階で自分自身で気がつくような症状はなかなか出てきません。次のような症状があったら、要注意です。定期的に歯科医療機関で検査を受けてみましょう。

◇歯周病のセルフチェックリスト
・朝起きたときに、口の中がネバネバする
・歯ぐきがときどき腫れる
・歯磨きのときに出血する
・歯肉が下がって、歯と歯の間にすき間ができた
・硬いものが噛みにくい
・歯がグラグラする

また、次のような方は歯周病を起こしやすいことが知られています。一度、歯科医療機関で検査を受けられることをお勧めします。

◇歯周病を起こしやすい方
・中年期以降の方
・妊娠中
・喫煙者
・糖尿病にかかっている方

◆歯と口の疾患と全身疾患の関連
「歯周病」は全身疾患との関連があると言われています。そのなかでも、歯周病と糖尿病との関連についてお話しします。図のように、歯周病と糖尿病には双方向の関連があると言われています。そのため、糖尿病患者に対する歯周病の治療は、歯周病の改善だけでなく糖尿病のコントロールにも有効です。
その他にも、歯周病は心疾患、慢性腎臓病、呼吸器疾患、骨粗鬆症、関節リウマチ、悪性新生物(がん)など、様々な全身疾患との関連していることが報告されています。

◆かかりつけ歯科医のすすめ
みなさんは「かかりつけ歯科医」を持っていますか。歯の健康を守るために「かかりつけ歯科医」を決め、3~6ヶ月に1度、症状がなくても受診して歯と歯ぐきのチェックと歯のクリーニングを受けましょう。異常を早期発見することで治療も短期間で終わり、治療費の負担も少なくて済みます。
「気軽に相談できる」「自宅や職場の近くで通いやすい」「治療法についてきちんと説明してくれる」「予防のための指導やアドバイスをしてくれる」などをポイントに、自分に合ったかかりつけ歯科医を見つけましょう。

参考文献:「歯と口腔の健康」厚生労働省

お問い合わせ:木祖村役場 住民福祉課(保健係)
【電話】36-2001【FAX】36-3344【E-mail】hoken@kisomura.com

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