■下流域との交流に想う
木祖村は、木曽川源流であることと、味噌川ダムが出来たことなどが縁で、下流域の自治体と親密なお付き合いをさせていただいており、本年も、友好姉妹都市の日進市をはじめ、名古屋市、一宮市など多くの自治体から親子連れの皆さんを中心に来村いただき、木祖村の涼しい(都会に比べてですが)気候と豊かな自然、様々なアクティビティを体感していただきました。
受け入れに関係する村民の皆様にも温かいおもてなしをいただいたことに心から感謝申し上げます。
下流域からの訪問者の受け入れは、こだまの森や道の駅の売り上げに貢献したりとありがたい面がある一方で、休日を返上して様々な企画を提案したり、交流のため人集めをしたりと一部に負担感が生じていることは事実かと思います。私も夏の休日が結構潰れます(笑)
しかしながら、この交流は本村にとって大事な取組で、例えば参加者が木祖村の自然を大切に思ってくれれば、自然保護への関心が高まり、地球温暖化の防止につながったり、木祖村の木に触れてこの木を都会で使いたいと思ってもらえれば、森林環境譲与税(森林整備や木材利用を進めるため国が作った税の仕組み)を使って木祖村産の木製品が活用されたり、オフィスや公共空間の木質化に利用されたりと、本村の木工業の振興につながります。
更には、木祖村を訪れた子どもたちに、また家族で行きたいと思ってもらえれば、村の観光振興にもつながるわけです。
私も下流域にお邪魔すると、何かと有名な名古屋市の河村市長さんから、「名古屋の水がうみゃーのは木祖村さんのおかげだで足向けて寝れねーわ」と声をかけていただきますし、30万人都市のイベントで一人、来賓としてごあいさつさせていただいたりと、木祖村はとても大事にしていただいています。
このような中、受け入れ側の負担軽減にも配慮しつつ、これまで培ってきた下流域との絆を更に深めていこうと想いを新たにしたこの夏でした。
村長 奥原秀一
<この記事についてアンケートにご協力ください。>