人と空き家をつなぐ

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日本各地で増加している空き家。管理には手間とコストがかかる上、管理せず放置すると倒壊など、周辺環境へ悪影響をおよぼす可能性があり、早めの対策が大切です。それを解決できる方法のひとつとして、売買や賃貸借できる「東御市空き家バンク」というシステムをご紹介します。

◆空き家バンクとは
空き家バンクとは、空き家の売却または賃貸を希望する所有者などからの申し込みにより登録された空き家情報を、空き家の利用を希望する人に対して、市が提供する制度のことです。必要に応じて、市と協定を結ぶ不動産のプロである長野県宅建協会上田支部の不動産会社が仲介してくれるので安心です。

◆利用者の声
◇埼玉県から空き家バンクを利用し移住された小林さんご夫婦
山登りが趣味なこともあり、長野への移住を検討していた中で、晴天率が高く実家のある埼玉県から距離も近い東御市を候補としていました。住まいを新たに新築するとなると、費用もかかるため中古住宅のリフォームを検討していた中で、東御市の空き家バンクに出ていた物件に目をつけました。
元々この物件にはなんと剣道場があったため、なかなか契約にならないという状態だったようです。移住となると、古民家やまわりに住宅がない物件を探す方もいますが、私たちはそういった条件にはこだわりませんでした。物件を見たときはびっくりしましたが、うまくリフォームすれば住めるのではないかと思い、買うことを決断しました。都市ガスのエリアであったことも決断の要素の一つです。
剣道場であったころの天井の高さを生かし、その空間をリビングにするなど、既存の設備を生かしリフォームを行いました。その他、補助金を使って不用品を片付けたり、ペレットストーブを導入したりしたほか、シルバー人材センターに頼んで樹木の片付けを行うなどして、現在は快適に生活しています。
東御市での生活は埼玉県と比べ寒いのですが、空き家バンクのおかげで私たちの生活に合う物件を見つけることができたことは、とてもありがたいと感じています。

◆空き家通信『巨ん太くんちの空き家どうする?』　Vol.1
「空き家なんて自分には関係ない。」「空き家になっても何も問題はない。」
そんなあなたに読んでほしい…空き家対策入門編、全4回。巨ん太くんとぷるるちゃん、地域おこし協力隊・吉井と一緒に空き家問題について勉強しましょう!

◇登場人物
巨ん太くん：今は東京でサラリーマン。東御市には巨峰農家の父がひとり暮らし。
ぷるるちゃん：東御市で父と母と巨峰農家。
地域おこし協力隊・吉井：令和4年11月に着任。空き家対策担当一年生。

◇他人事ではない?空き家問題
・吉井　ぷるるちゃんは空き家を持ってるって言ってたけど、どんな物件なの?
・ぷるるちゃん　普段は空き家を倉庫として使っているし、お盆や正月に親戚が集まる時に使ってるから空き家じゃないんだけどね。
・吉井　それ…空き家予備軍ですよ!
・ぷるるちゃん　!!??
・吉井　年に数回利用、倉庫代わりに利用していても、普段住んでなければ空き家につながるんだって!
・巨ん太くん　よかったー。うちは父ちゃんが住んでるから大丈夫。68歳!まだまだ元気に巨峰作ってるよ。
・吉井　それも…空き家予備軍なんです。
・巨ん太くん・ぷるるちゃん　!!!!!???

空き家予備軍とは「65歳以上のひとりで住んでいる高齢者の持家」つまり、数年のうちに空き家になる可能性が高い家のことをいいます。

◇専門家からのアドバイス
市と協定を結んでいる長野県宅建協会上田支部から「空き家予備軍」についてのアドバイスをいただきました。
1、親族で話し合いの場を持つ
自分が知らないだけで、なにか対策方法を考えている親族がいる場合があります。
今後の活用方法について、話し合っておきましょう。
2、売買や賃貸の可能性があるなら、早めに準備を
親等が売却などに理解を示したら、準備を始めるのも空き家予防の第一歩です。
家族信託の活用も選択肢に入れておくのも大事です。

※家族信託とは?
所有者の意思・判断能力のあるうちに、家族に空き家等の財産の管理や運用を託す方法。認知症を発症しても財産の有効活用が可能になるため、認知症対策として注目されています。

◇まとめ
空き家問題は、空き家になってから対策するのでは手遅れです。気づいたときには建物が痛み、市場に出したり利活用の機会を逃してしまわぬよう、早めから今後の利活用について考えておくことが大切です。

◇空き家相談会
空き家の相続問題や利活用方法、空き家バンクへの登録について、不動産取引や行政手続きの専門家等に無料で相談できます。事前予約は不要です。
日時：5月21日(日)午前9時30分～正午
場所：中央公民館3F　講堂

問合せ：企画振興課　移住定住・シティプロモーション係
【電話】64-5893