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自治体の皆さまへ

全4弾 シリーズ『とうみの公共交通』

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長野県東御市

~誰もが利用しやすい持続可能な公共交通を目指して~
東御市地域公共交通計画を策定しました

市内の公共交通は、しなの鉄道、タクシー、高速バスのほか、東御市商工会が運行する定時定路線バスとデマンド交通『とうみレッツ号』があります。しかし、少子高齢化や高齢の運転免許保有者の増加などにより、公共交通の利用者は減少傾向にあり、公共交通の維持・確保が厳しい状況です。
市では、地域構造や社会環境の変化を踏まえ、誰もが利用しやすい持続可能な公共交通環境の構築に向け、「東御市地域公共交通計画」を策定しました。今後、全4回にわたって、とうみの公共交通についてお知らせします。
今月号は、計画の概要を紹介します。

【公共交通の今】
◆公共交通体系の現況
※詳細は本紙をご覧ください。

◇定時定路線バス
・人口カバー率は36.8%
・小中学生の通学利用が主で一般利用者はわずか
・収支率は
14.2%(R元)
12.6%(R2)
※人口カバー率とは、バス路線から300m以内の圏域に居住する人口の総人口に対する割合

◇デマンド交通(とうみレッツ号)
・利用者数は減少傾向
・エリア内移動よりもエリア間移動の利用が多い
・収支率は
18.4%(R元)
9.6%(R2)

◇その他交通手段等
・鉄道利用者数はコロナ禍で急減したが、回復傾向にある
・観光二次交通が乏しい

◇市民意向(アンケート調査結果)
「東御市地域公共交通計画」の策定にあたり、市民各層へアンケート調査を実施しました。アンケートの詳細は、次ページの二次元コードからご覧ください。
※二次元コードは本紙をご覧ください。

・高齢者の移動について
高齢者で、移動に不自由していないと回答した人が全体の93%おり、不自由していると回答のあった人(7%)のうち、免許を持っている人が3%、免許返納した人が31%、免許がない人が23%でした。
高齢者で、移動に不自由している人のうち、25%はデマンド交通を利用、残る75%の方は移動に不便しています。

・とうみレッツ号の利用の有無
とうみレッツ号の認知度は高いです。しかし、利用しない理由としては、利用方法が分からないことを挙げる人が11%と多いことがわかりました。また、運行形態の見直しなど利便性の向上によっては利用する可能性があるとの回答も多いです。

・小中校生の通学について
子どもの通学の送迎をしている保護者では、負担に感じているのは全体の65%で、バスを利用しない理由としては、「利用したい時間にバスが走っていない」ことを挙げる人が40%と最多でした。

◆課題
公共交通体系の現況、市民意向(アンケート調査結果)から4つの課題が浮き彫りとなりました。

◇課題1 地域住民のニーズに合った運行形態の検討
定時定路線バスの運行時刻が利用者のニーズに合っていない路線や運航が行き届いていない地域があります。
また、デマンド交通のとうみレッツ号も運行時間やエリア等の制約があります。

◇課題2 収益構造を改善し持続可能な地域公共交通の実現
新型コロナウイルス感染症の影響もあり、公共交通の利用者は減少しています。また、定時定路線バスやとうみレッツ号の収益性は低水準で推移しており、運行経費のほとんどは公費負担によって賄われています。

◇課題3 積極的なPRや情報提供による公共交通の利用促進
とうみレッツ号の認知度は高いものの、多くの人が自家用車で移動しているため、実際に利用している人はわずかです。また、利用したいけれど、利用方法がわからない人が多数存在します。

◇課題4 観光客等の来訪者が切れ目なく移動できる環境づくり
定時定路線バスの運行時間が限られており、とうみレッツ号は事前登録が必要であることから、鉄道や高速バスで市に訪れた人が気軽に利用できる二次交通手段は乏しいのが現状です。

◆持続可能な公共交通へ
市では、地域構造や社会環境の変化を踏まえ、誰もが利用しやすい持続可能な公共交通環境を構築するため、地域公共交通の活性化および再生に関する法律に基づき、東御市公共交通活性化協議会で、市民や交通に関わる官庁、事業所の皆さんの声を聴き、現状利用者の把握・分析、大規模なアンケート調査、市民説明会など計画策定に向けて延べ11回にわたる慎重審議を重ね「東御市地域公共交通計画」を策定しました。
この計画では、これまでの取り組み進歩状況や現状と課題など踏まえ、次の理念と3つの基本方針に重点的に取り組んでいきます。

計画期間:令和5年度~令和14年度(10年間)
基本理念:豊かでしあわせな市民生活を支える持続可能な公共交通環境の実現

・基本方針1
誰もが安心して使いやすい移動手段としての公共交通
計画目標(1):自治体間を連絡する「幹線交通」の維持
計画目標(2):定時定路線バスの利便性向上
計画目標(3):デマンド交通「とうみレッツ号」の利便性向上

・基本方針2
地域交流を促進し、地域に活力を与える公共交通の構築
計画目標(4):中心拠点の公共交通利便性向上によるにぎわいの創出
計画目標(5):交通拠点の乗継利便性の向上
計画目標(6):公共交通を補完する移動サービスの創出

・基本方針3
多様な連携により、将来にわたって持続可能な公共交通の構築
計画目標(7):みんなで支える利用促進策の展開
計画目標(8):環境負荷の低減に資する公共交通の実現
計画目標(9):市街地から離れているエリアに対する移動の創出

◆計画の実現に向けて
本計画は、「交通事業者」「地域住民」「行政」等で構成される「地域公共交通会議」において、計画・事業の推進・管理を行い、PDCAサイクルの評価体制のもと、三位一体となって計画目標の達成に向けて取り組みます。
※計画の詳細は、市ホームページに掲載しておりますので、ご覧ください。

東御市地域公共交通計画の策定にあたって、多大なるご尽力をいただいた東御市公共交通活性化協議会委員および関係団体の皆さま、貴重なご意見・ご要望をお寄せいただいた市民の皆さまに、心から感謝申し上げます。
次号 市報6月号では、「計画目標の達成に向けた施策の内容について」お伝えします。

問合せ:商工観光課 商工労政係
【電話】64-5895

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