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家庭教育アラカルト(20)

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長野県東御市

~心の温度が上がるとき~
北御牧中学校 教頭 松澤 清市

◆アシナガバチ
本校の周辺には、アシナガバチが多く生息しています。普段は、その危険性から嫌われがちです。
ある夏の豪雨の時、体育館の軒下にアシナガバチの巣を見つけました。そこには二十匹ほどのアシナガバチがいました。激しく降る雨や強風に耐えながら、みんなで身を寄せ、自身の体を盾にして、必死に巣の中の幼虫を守っていました。その時、私自身の中で、アシナガバチに対する見方が変わりました。そして、県外で一人暮らしをしている大学生の娘の顔が浮かんできました。

◆傘を運んでいて…
ある日の放課後、ちょうど下校時刻に激しい雨が降ってきました。それまで晴れていましたので、多くの生徒は傘を持っていませんでした。そこで五十本ぐらいある貸し出し用の傘を出しました。
翌朝、その重い傘箱を片付けていると、3年生の男子生徒が近づいてきて、何も言わずに、持っていた傘箱を取り、片付けてくれました。ちょっとしたことかもしれませんが、朝からとっても気持ちいい気分になりました。
「ありがとう。とてもうれしかったよ」とその男子生徒に伝えると、ニコッと笑って去って行きました。私の心の温度が少し上がりました。

◆夏休みの朝に
夏休みの朝、ちょっと早くに学校へ行きました。すると、誰も居ないと思っていた学校から、話し声が聞こえてきました。家族で学級花壇の水やりと草取りをしてくれていました。学校の為にやっていただいているという感謝の気持ちと、「いい家族だな」と、うらやましい気持ちになりました。
決して楽な作業ではありませんが、家族で一緒に汗をかきながら作業を行うことは、どんな会話よりも、価値があるんだなと思いました。

私自身、頑張っている姿を見たり、人の優しい心などに触れたりすると、些細なことでも、とてもエネルギーをいただき、心の温度が上がります。
また、そのような時、その思いを誰かと共有したくなります。
心の温度が上がったとき、家族で共有すると、家族の心の温度も上がるのではないでしょうか。

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