■筋肉の取扱説明書(貯筋…編)
◇「適度に使う」ことが「貯筋」のコツ
これまで、筋肉の柔らかさを保つためのストレッチング(4月号)と、筋量・筋力を保つための筋力トレーニング(8月号)の大切さについてお伝えしてきました。良い筋肉を維持するためには、適度な刺激=筋肉を使うことが必要です。使わなければ貯まる「貯金」とは異なり、「貯筋」のコツは「適度に使う」ことです。
◇「貯筋」=筋トレに関する推奨事項
「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、週に2~3日の筋力トレーニングの実施を推奨しています。ポイントとして、(1)日常生活以上の負荷をかけて少しずつ負荷を高めること、(2)回復に必要な休息日(筋肉を休める時間)をとること、(3)できれば全身(下肢・臀部・腹・背中・胸・上肢)の大きな筋肉をまんべんなく行うこと、(4)筋肉は年齢に関係なく鍛えられること、などが示されています。また、効果面では、(5)適度な筋トレが生活機能の維持・向上だけでなく生活習慣病予防や死亡リスク低減につながること、(6)有酸素運動(ウォーキングなど)と組み合わせることでさらなる健康増進効果が期待できること、などが言われています。
◇「ちょいトレ」で「貯筋」の第一歩
「貯筋」の理想は全身の筋トレですが、習慣化の第一歩、「老化は脚から」の対策に、下肢の「貯筋」に役立つ「ちょいトレ」をご紹介します。
(1)ふくらはぎ(下腿三頭筋)の筋トレは、歩く時に地面を蹴る力をつけます。まずは10回、ゆっくりとかかとの上げ下げを繰り返します。
(2)太もも前側(大腿四頭筋)の筋トレは、立ち上がりや階段の上り下りなど、膝を伸ばす力をつけます。椅子に姿勢よく座り、片方の膝をゆっくり伸ばして、かかとを押し出して3秒ほどキープして戻します。まず片足5回ずつをゆっくり行います。
(3)片足立ちは、支える脚全体の筋肉や骨、バランス感覚を鍛えるために、左右1分ずつを目安に行います。
冬場の寒い時期にじっと動かない時間が増えて「貯筋」が減ってしまうことのないよう、まずは「ちょいトレ」だけでも始めてみませんか?
◆「ちょいトレ」のすすめ
・ふくらはぎ筋トレ
椅子に軽くつかまり上に伸びるようにかかとの上げ下げ(ゆっくりと10回)
・片足立ち体操
軽くつかまり目を開けたまま片足を上げる(左右1分間ずつじんわり)
・太もも筋トレ
姿勢を良くしてからかかとを押し出し3秒。足を下ろしてリラックス(片足5回繰り返す)
※詳しくは本紙またはPDF版をご覧ください。
文責:(公財)身体教育医学研究所
問合せ:健康推進課
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