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第14回 白馬村の農林業(小水力発電)

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長野県白馬村

“小水力発電”とは、農業用水、一般河川、砂防ダムなどで利用される水のエネルギーを利用し、水車を回すことで発電する方法です。一般的に、出力1,000kW以下の比較的小規模な水力発電を“小水力発電”と呼んでいます。
白馬村は令和元年12月に「気候非常事態宣言」、令和2年2月に「ゼロカーボンシティ宣言」を行いました。豊富な水資源を活用した小水力発電は大きな可能性がありますが、多額の初期投資が必要になり、既に河川法の許可を得ている場合も、改めて、煩雑な許可手続きが必要などの課題もあります。
当村では、平成27年4月から白馬村土地改良区(理事長:太田雅敏、事務局:農政課内)が、平川頭首工(とうしゅこう)の農業用水を活用した“白馬平川小水力発電所”の管理を行っています。

1.長野県の小水力発電施設
農業用水を利用した小水力発電施設

農業用水以外の小水力発電施設

*長野県ホームページ参照。R元.6.3付農政部農地整備課

2.平川頭首工
平川頭首工は、白馬連峰や八方山などの北アルプスを源とする一級河川平川から取水し、3路線の幹線用水路を経て330haの水田に灌漑(かんがい)用水を供給しています。かつては、平川の3箇所から取水していましたが、下流側2箇所の取入口周辺では、平川の流量の4割程が地下に伏流してしまい、常時必要な用水を取り入れることができず、用水確保に大変苦労していました。
このため、昭和52年度に、3箇所の取入口を1箇所に統合し、平川の伏流が少ない場所に頭首工を新設するとともに、3路線の幹線用水路約3kmを改修する「県営かんがい排水事業」に着手、昭和57年度の完成により農業用水の安定供給が可能となりました。

3.白馬平川小水力発電所
◆導入経過
長野県のモデル事業として、平成23年度に国のソフト事業で概略設計、平成24年度に事業実施を申請、平成25年度に導水路工事、平成26年度に発電設備工事と順次工事を実施し、同年度に施設の一部を長野県から譲り受け、平成27年4月1日から売電を開始しました。

◆概要
平川頭首工から安定取水した用水を有効に活用し、最大出力180kWの電力を発電しています。売電収入は、白馬村土地改良区が管理する頭首工や水路、揚水(ようすい)ポンプの維持管理費等に充てられ、農業者の負担を軽減し、将来に渡り安定した農業経営が継続されることが期待されています。

お問合せ:白馬村役場 農政課
【電話】0261-85-0766

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