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令和6年 白馬村ナラ枯れの現地検証及び対策会議について

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長野県白馬村

令和6年8月29日に専門家を招き、現地検証、対策会議を実施しました。

1.状況
本村のナラ枯れは、平成21〜27年度に発生終息し、令和2年度に再発生しました。全国的に増加傾向で、北アルプス管内では白馬村、小谷村の発生が目立ちます。
森林経営管理法では、森林所有者の責務として、自然的社会的諸条件に応じた適切な経営管理が明記されていますが、村では令和3〜4年度はリスク対策として、住民や観光客等に危険が及ぶ可能性があるナラ枯れは、森林整備基金の取り崩しや農政課直営施行により、伐倒くん蒸処理及び樹幹注入等の実施、林業事業体では、県事業により更新伐(岩岳西山遊歩道 約3ha)を実施しました。令和5年度からは、住民要望に基づき専門家による対策会議の意見を参考に、リスク対策とともに景観対策として、人が容易に近付くことの出来ない奥山のナラ枯れ処理を実施しました。
また、被害木の利活用として住民への薪配布やマウスパッド製作等に取り組みました。なお、財源調達のために、国県補助事業の導入や、ガバメントクラウドファンディング※も活用してきました。
※自治体が行う資金調達

2.処理実績(R6.9.12現在)

3.検証と今後の対策
〔1〕検証
(1)県内ナラ枯れは、平成16年がピークで一旦終息。県外でも発生と終息を繰り返している。
(2)ナラ類の適齢伐期は20年。被害木は伐期を大幅に超えている。更新伐が有効手段。
(3)令和5年以降、全国的に被害増加傾向。
(4)樹中にカシノナガキクイムシが生息しており温暖化により虫が活発になる。
(5)特にミズナラは弱く、同樹が多い白馬村では被害顕著。コナラは強く、復活した事例あり。
(6)松川より北側は激害地域、南側は微害地域と言える。
(7)和田野地区では地域主体で薬剤防除したところ、被害拡大を防ぐ一定の効果があった。
(8)被害縮減のため景観対策を実施したが、被害を防げなかった。費用対効果を考えるべき。
(9)全ての樹の防除は不可能。地域住民による守るべき樹(リスク管理等)の選定必要。
(10)現状勘案すると、激害地域のくん蒸処理は効果が薄い。
(11)県の森林簿によりナラ等広葉樹本数を考慮すると、処理実績は全体の0.27%程度。

〔2〕今後の対策
(1)伐倒くん蒸処理、景観対策として臨時的に処理したが、被害を防げなかった。所有者による次の行動が大事になる。
(2)村は全ての樹を防除できないことを踏まえ、公有管理地を中心に対応するが、民有地は住民や観光客等への影響を考慮し、危険な個所を中心に支援する。
(3)微害地域では被害拡大を防ぐため、薬剤樹幹注入及び伐倒くん蒸を地域と連携して行う。

お問合せ:白馬村役場 農政課
【電話】0261-85-0766

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