◆ナラ枯れ被害の状況
白馬村においては平成21年頃に和田野地区・どんぐり地区においてナラ枯れが発生し、行政や地域の方々で防除処理を行ったところ、その後一旦は落ち着いたものの、令和2年頃からどんぐり地区、岩岳、新田地区において、さらに今年度は八方地区やみそら野地区等でも発生が確認されています。
◆森林管理の基本は所有者です
森林経営管理法では森林管理の基本は所有者責任となっており、万が一枯れた木が倒れたり、落ちた枝が当たって第三者に危害を及ぼした場合は所有者の責任となります。村としても個人の財産(山林や樹木)は所有者の責任において管理することが基本と考えますが、どうしても所有者で管理できないものについて、令和3年度から、人や人家等に危険が及ぶ可能性が高いものは優先的に、伐倒・くん蒸処理及び防止対策として樹幹注入等の対策を行なっています。特に人家や道路が多いどんぐり地区内、観光客やトレイルランニングで通行人の多い岩岳の遊歩道には所有者や地域からの要望もあることから例年300万円(R5は約600万円)ほど予算をかけ、その対策に当たっていますが、一向に被害が収まらない状況です。
◆ナラ枯れ被害木伐倒実績(業者委託)
※R6の本数は8月末現在です。
※(3)は岩岳遊歩道~どんぐり地区の間で景観対策として伐倒のみ実施。(R6の(2)も同様に伐倒のみ)
※上記の他に、農政課の直営施工で約200本伐倒くん蒸を行なっています。
◆ナラ枯れの原因
ナラ菌を持ったカシノナガキクイムシがカシ、ナラ類に大量に穿孔し、樹体内でナラ菌を蔓延させ、通水が阻害されることによって引き起こされます。
◆ナラ枯れの被害を受ける樹種
ミズナラ、コナラ、カシワ、クヌギ、クリ等
◆ナラ枯れの特徴
・紅葉の時期ではないのに、真夏~晩夏にかけて急に葉がしおれはじめ、茶色や赤茶色に枯れる。
・幹には根元から5mぐらいの高さまで、カシノナガキクイムシが穿入した直径2mmほどの穴がたくさん開いている。
・穴からは大量の「フラス(粉状の木くずと虫の排泄物が混じったもの)」が出て、根元や樹皮に堆積している。
◆ナラ枯れの情報
・江戸時代からある日本古来の森林病害虫である。
・空中散布防除では効果が薄く、被害根絶できない。
・過去事例から自然サイクルなので、終息に5年程度要するが、発生場所が移っていくことはある。(カシノナガキクイムシの入る大径木が無くなるまで続く)
・県内では、平成16年に飯山市、信濃町で確認され、平成22年をピークに減少傾向だったが、令和2年に再び増加している。(温暖化により、令和5年以降更に全国的に増加している。)
・他県等では、行政主体で処理したが対応しきれなかった事例がある。
・枯木処理は人身被害等へのリスク管理としては重要だが、全ての処理は不可能。薬剤処理等の防除も重要。
◆今後の取り組みについて
・専門家及び関係者による対策会議
・ナラ枯れ被害の現地調査実施
・地域と連携した薬剤防除
・被害木(危険木等)の伐倒くん蒸(例年6月までに)の実施
・被害拡大防止のための森林整備(間伐等)の実施
・被害木の利活用(マウスパッド、ベンチ等の製作)
お問合せ:白馬村役場 農政課
【電話】0261-85-0766
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