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杓子沢雪渓と不帰沢雪渓が氷河であることが確認されました!

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長野県白馬村

白馬村では令和2年度から、新潟大学、白馬山案内人組合、白馬・山とスキーの総合資料館等と共に、氷河の可能性が高い杓子沢雪渓、不帰沢雪渓の調査を実施してきました。
2025年1月6日、この調査に関する学術論文が受理され、杓子沢雪渓と不帰沢雪渓が氷河であることが確認されました。これにより、国内で、8、9か所目。村内ではすでに氷河と確認されている唐松沢氷河を含め3つの氷河が存在することが明らかになりました。さらに、白馬沢雪渓についても、今年度氷河である可能性が高いデータが得られています。
特筆すべきは、杓子沢雪渓がJR大糸線白馬駅前や市街地からも見える位置にあり、「街から見える氷河」として貴重な存在となることです。皆さんが何気なくとった写真にも、氷河が写っているかもしれません。
白馬村は、今後もこれら氷河を含む北アルプスの多様な自然環境を活かした山岳ツーリズムの推進や、学校教育・生涯学習における地域学習・環境教育の題材として活用していく方針です。これにより、地域内外の多くの人々に氷河の存在意義や魅力を伝え、白馬村の自然環境の素晴らしさと環境保全の重要性を広く周知していきます。

◆氷河とは?
◇氷河の定義
「氷河」とは、「陸上で重力によって常に流動している多年性の氷雪の集合体」と定義されています。(日本雪氷学会、2014)
夏に融けきらずに越年する雪渓は「多年性雪渓」と呼ばれ、氷体を持つものもありますが、氷河との違いは「顕著な流動現象を示さないこと」とされています。(日本雪氷学会、2014)

◇日本国内で確認された氷河
・御前沢氷河(2012、富山県立山町)
・三ノ窓氷河(2012、富山県立山町)
・小窓氷河(2012、富山県立山町)
・内蔵助氷河(2018、富山県立山町)
・池ノ谷氷河(2018、富山県上市町)
・カクネ里氷河(2018、長野県大町市)
・唐松沢氷河(2019、長野県白馬村)

◇氷河・多年性雪渓の形成
「降雪量」と「地形効果による積雪量(二次堆積)」が夏季の融雪量(消耗量)を上回る必要があります。
地形効果として、規模の小さい「吹きだまり涵養型」と規模の大きい「雪崩涵養型」に区分されます。

◇白馬大雪渓は氷河ではないの?
日本三大雪渓の一つである白馬大雪渓は、集水域面積が大きく、夏季の降雨を大量に取り込み雪渓底にアイストンネルを形成し、下部からの融解が進み厚い氷体が発達しないために、氷河ではなく多年性雪渓とされています。

お問合せ:白馬村教育委員会 生涯学習スポーツ課
【電話】0261-85-0726

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