■さまざまな議案を検討した年だった。今年はもっと幅広く、町民のみなさんと触れ合いたい。
箕輪町議会議長 荻原 省三
▽2024年の箕輪町議会の状況
2023年4月に町議会議員選挙が行われ、議会も新メンバーになりました。また昨年の5月に私が議長に就任してから2年目ということで、本当にバタバタと慌ただしく過ぎました。議員の半分が新人で、議会を初めて経験する人も多く、そのようななか、議会をまとめなければならないのは大変でしたが、それぞれ委員長さんはじめ、皆様のご協力をいただきながらなんとかやってくることができました。
▽2024年の主な議案は?
箕輪町でもゼロカーボンの取り組みが始まり、箕輪町はこの面では非常に進んでいますので、これに対する町民の期待と同時に心配も多く、一般質問の中で議員からも、「そんなに急ぐ必要があるのか」という意見もあり、議論が行われました。これに対する町長の説明等を聞く中で、やはりゼロカーボンは大事な問題で進めていく必要があり、将来を考えると、間違いなくそちらの方向に進んでいかなければならないという結論にいたりました。
この他には、私が9月の議会の一般質問で質問した「町による産業用地の取得について」という議案に対してですが、いま箕輪町の人口は減少し、2万4千300人くらいになっています。そのなかで、人をいかに箕輪町へ呼び込むかという際に、働く場所は必要不可欠であり、農地を転用すること自体が、何でもかんでもだめだということではなくなってきていて、町への事業所や工場の誘致も必要なことだと感じています。これに対して農家が減っていることも事実なので、農地は農地として生かしていかなければならないという側面もあります。これについて、自分にできることがないかを探りましたが、「産業用地にすること」に対して地域の皆さんの同意が得られ・・・なかったということで、産業用地開発は中止という結果となりました。自分自身は農家なので、農業も大事だと思っていますが、バランスのとれた形というのは絶対必要だと思っています。なかなか判断に悩む事案でした。
▽2025年に取り組みたいこと
町民の皆さんとのふれあいというか、ご意見を聞く場をいま以上に作ることですね。区長会との意見交換とか、農業委員会、商工会などではすでに実施しておりますが、幅広い町民の皆さんとの交流の機会は、この1年間はなかなか作れなかったと思っています。新しく議員の皆さんも変わり、委員会の構成も全て変わりましたので、今年度中には何とか新たな形でできればいいなと思っています。
また、箕輪町は自然環境に恵まれた、非常に魅力のある町だと思っていますが、例えばゼロカーボンを目指して太陽光発電を設置するとした場合、周囲の景観にも配慮した形での設置を検討するべきだと思います。綺麗な景色とは、水田には稲穂が実り、畑地にはリンゴ、ナシが実り、牧草地が広がる。そういったところに野立ての太陽光発電があることが、はたしていい風景に見えるのか。そんなこともこれからは考えていきたいです。
それと、災害に対しては議会として、防災に対して理解を持ちながら、町と協力して町民の安全安心を一番に考えていかなければいけないと思っています。
▽お正月はどのように過ごしますか?
子どもや孫たちと一緒にお正月を迎えてゆっくりしたいです。息子も農業を継いでくれましたが、孫の世代にはどんな農業をやっていくんだみたいな話を、家族で一杯飲みながら、夢を聞くのもいいかなと思っています。
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