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《特集》脱!「負(ふ)」動産(1)

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長野県箕輪町

■あなたの「空き家」、手遅れになる前に
全国的に社会問題となっている「空き家」。箕輪町も例外ではなく、現在304軒もの建物を空き家として把握しています。
空き家問題の解決には所有者・相続人ご自身の主体的な行動が欠かせません。具体的にどのような対処法があるのかをお伝えします。

[空き家とは]
空き家:空家等対策の推進に関する特別措置法では、建築物またはこれに附属する工作物であって、居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの、及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む)と定義されています。

◆箕輪町の空き家の現状
・現在304軒!
・5年ごとに大規模調査を実施

町では箕輪町空き家等対策計画に沿って空き家の軒数減少に努めてきましたが、現在把握しているのは304軒。個人の財産や権利、家庭事情等と切り離すことができない問題であり、「空き家対策」は思うように進んでいないのが現状です。こうした状況と人口減少の傾向を勘案すれば、今後はさらに空き家が増加する可能性が高いと考えられます。
平成27年に空家等対策の推進に関する特別措置法が施行されたことを受け、町でも同年に箕輪町空き家等の適正管理及び活用促進に関する条例を制定。5年ごとに大規模な調査を行い、町内全域の空き家を把握。そのデータを基に空き家対策計画を策定し、空き家バンク(次ページ※2)や各種支援制度を中心に対策にあたっています。把握している空き家のうち、特に状態の悪いものについては「特定空き家」に認定し、管理義務の履行についての指導等を実施しています。

◆空き家になる原因
空き家の発生原因として最も多いものが「相続」です。町で相談の多い例としては、配偶者を亡くして一人暮らしとなっていた高齢者が死亡。その高齢者の自宅を相続した親族は遠方に住んでおり、居住の意思がないというケースです。壊そうにもお金がかかり、更地にしてしまうと固定資産税が上がる(※1)等の理由から放置される例も少なくありません。
※1 固定資産税の住宅用地特例とは固定資産税が課される年の1月1日時点において、人が居住するための家屋の敷地として利用されている土地について、税額が軽減される特例措置。解体して更地になると、同特例の適用外となる。

◆空き家を放置すると
人が住んでいない家は手入れが行き届かず劣化が進みます。空き家を所有している、または相続する可能性がある場合は、早めに行動を起こすことが肝心です。

▽次に挙げるような事態になる前に早めの行動を心がけましょう
(1)草木が伸びて隣家に迷惑をかける
(2)外壁に穴が開き動物や害虫が棲みつく
(3)犯罪の温床になる
(4)倒壊の危険が高まる

◆不動産登記の専門家に聞く!「空き家トラブル」軽減のためにできること
箕輪町空き家対策協議会委員
おぎはら司法書士法人
代表者 司法書士:荻原 うららさん

◇空き家に関して、事態の複雑化・悪化を未然に防ぐためには? (所有者生前)
空き家にしない、空き家を放置しないためには、家族で「住まいの終活」について、所有者の生前に、次のことなどを話し合っておくと、いざというときにトラブルが少なくなります。
・解体費用はどのくらいかかるか
・家の片付けはどうするか
・隣地を欲しそうな人はいないか、など

◇空き家を相続した場合、どのような行動をとればいいのか? (相続後)
空き家の処分は早い方がいいでしょう。
家を一軒持つと、固定資産税や草刈り費用など年間10万円程度の出費があると言われています。まず、親族や知り合いで家が必要な人に声をかけてみましょう。
また、相続した不動産を処分した場合、税の優遇処置(※3)があります。
空き家を手にしたら、お近くの司法書士にご相談ください。問題点を把握し、解決の糸口を探し、不動産業者・解体業者・税理士などの適切な関係機関におつなぎします。

※3 相続または遺贈により取得した被相続人居住用家屋または被相続人居住用家屋の敷地等を、平成28年4月1日から令和9年12月31日までの間に売って一定の要件に当てはまるときは、譲渡所得の金額から最高3000万円(注)まで控除することができます。(注)令和6年1月1日以後に行う譲渡で被相続人居住用家屋および被相続人居住用家屋の敷地等を相続または遺贈により取得した相続人の数が3人以上である場合は2000万円までとなります。
(国税庁HPより)

◆不動産業者に聞く!「空き家を処分」する方法
箕輪町空き家対策協議会委員
株式会社箕輪開発不動産
代表取締役社長:小松 英樹さん

◇空き家を手放すことにしたら、まず行うことは?
空き家は放っておくと劣化し、価値がどんどん下がっていきます。手放すことを決めたならば、なるべく広く、多くの人にその物件を見てもらうことが契約への早道です。お近くの不動産業者に相談することもひとつの方法です。わたしたちは次のことなどを一緒に考えていきますので、お困りの際はご相談ください。
・空き家バンクへの登録
・売り方の方法の検討 (現状渡し、解体、リフォームするかなど)

◇空き家を所有していて気をつけることは?
建物内を片付け、定期的に換気を行って室内の空気を入れ替えたり、赤さびがたまらないように水道の水を流すなどを心がけると、比較的物件をよい状態に保つことができます。また、庭木、草などの手入れを定期的に行いましょう。近隣に迷惑をかけない意味でも重要です。

※2 空き家バンク 空き家・空き地を売りたい・貸したい人と、買いたい・借りたい人をつなぐ制度です。登録することで、広く物件が認知され、契約へ結びつきやすくなります。また、登録することで使える補助金制度もあるのでお勧めです。

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