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オブシディアン通信 No.097

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長野県長和町

『オブシディアン(obsidian)』とは、英語で黒耀石という意味。黒耀石の代表的な原産地は、我が町の和田峠・星糞峠(ほしくそとうげ)をはじめとした霧ヶ峰・八ヶ岳一帯に密集しています。

■第19回黒耀石のふるさと祭り
[発掘再体験で縄文土器発見]

◇第19回黒耀石のふるさと祭り開催
今年で19回目となる「黒耀石のふるさと祭り」が8月27日(日)に開催されました。お祭りのスタイルとしては、昨年と同様に小規模な開催となりましたが、当日は、一般の来館者を中心に390人の参加となり、予想以上の賑(にぎ)わいを見せていました。
主なイベントとして、昨年に引き続き、弓矢の体験、星糞峠第1号採掘址の発掘土から土器や石器を抽出(ちゅうしゅつ)する発掘再体験を実施しましたが、今年度は新たに、黒耀石の原石からナイフの素材を打ち割る体験と、明治大学黒耀石研究センターの協力を頂いた黒耀石の産地当てクイズが企画され、とても好評だったようです。

◇発掘体験で縄文土器発見!
発掘再体験のコーナーでは、3500年前の縄文土器と石器が発見され、大きな成果を上げることが出来ました。この縄文土器は、加曽(かそ)利B1式と呼ばれている土器で、第1号採掘址の発掘でも、採掘当時の地面から出土しており、採掘の時期を特定する決め手になったものです。今回発見された土器は、縄文人によって掘り捨てられた土砂に混じっていましたが、手のひらほどの大きな欠片で、模様もはっきりと残っていました。鉱山で出土した縄文土器は、いずれも一部が欠けていたり、割れたカケラのみのものが多く、この土器は、その一部かもしれません。石器は、木を削(けず)るスクレーパーと木や骨などを割るときに使う楔形(くさびがた)石器と言われているものでした。シーボルトがオランダに持ち帰った「ホシクソ」という書付の黒耀石資料も同じもので、縄文人にとってはお馴染(なじ)みの道具だったようです。

■分布調査実施のお知らせとご協力のお願い
[古町地区~長久保地区]

◇町の歴史を歩いて調べる遺跡の分布調査
教育委員会文化財係では、国・県の支援(しえん)のもと、平成26年度から町の全域を対象に遺跡の場所や範囲を確認するための分布調査を行っています。
国が定める文化財保護法では、遺跡のある場所での開発を行う際は事前の調査が必要とされています。遺跡やそこから発見される土器や石器などは、この列島に生活する国民共通の祖先が残したものであり、その歴史や伝統を知り、未来に伝えることは、様々な困難を乗り越える指針となりえます。また、近年では、ふるさとへの愛着や誇(ほこ)りを守るまちづくりの財産として、積極的に保存・活用しようとする取り組みが盛(さか)んになっています。
遺跡の位置や概要(がいよう)をあらかじめ把握(はあく)しておくと、開発の計画段階で遺跡への影響を最小限に留(とど)めるための協議が行いやすくなります。また、町の大切な歴史を守り伝えるのと同時に、市民の生活に必要な開発計画の実現と、その工事に先立つ発掘調査を効率的に進めることにも繋(つな)がります。
遺跡の場所を調べる分布調査は、作物に影響が及ばない時期を選んで地表面が見える田畑を中心に歩き、土器や黒耀石などの石器が落ちている場所を探します。教育委員会では、9年前に男女倉地区を出発し、和田地区の谷を北に向かって踏査(とうさ)してきましたが、昨年度より古町地区の調査へ入りました。今年度以降は、長久保、そして大門地区の谷を南へと進んでいくことになります。
昨年の冬に踏査した古町地区の遺跡については、広報3月号でも紹介しましたが、地元の方々のご協力を頂き、昔から知られていた遺跡の位置やその広がりについても新たな情報を得ることが出来ました。
今年度の分布調査は、古町から長久保地区に入らせて頂きます。作物に影響を与えないよう、十分に注意して歩きますが、どうぞ、ご理解とご協力のほどよろしくお願い致します。

◇遺跡の発見についてよくある質問
「遺跡が発見されると、家を建てられなくなるのですか?」とか、「発掘の費用がかかりますか?」という質問を頂く事があります。遺跡のおかげで、念願のマイホームが実現出来ないということは決してありません。地面を大きく削って造成したり、地下室などを計画されている場合は、事前に発掘調査をさせて頂くことがありますが、個人に金銭的な負担をかけないために、その費用は、国や町が負担することになっています。
一方、企業等が大きな工場を建設したり、公共事業で施設建設や道路整備、また造成事業を行う場合は、その事業の主体者に発掘調査と記録保存の整理作業に関する経費の負担をお願いする仕組みとなっています。いずれにせよ、発掘調査等は、町の教育委員会が文化財の保護業務として行う責任を担(にな)っておりますので、ご質問等がある方は、遠慮なく教育委員会の文化財担当にご連絡ください。発掘調査を行う場合には、迅速(じんそく)に対応できるよう、その準備も重要となりますので、早めのご確認を頂きたいと存じます。

問合せ:長和の里歴史館
【電話】88・0030

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