文字サイズ
自治体の皆さまへ

信州大学医学部健康推進講座

21/33

長野県長和町

文責:
・信州大学医学部健康推進学講座 助教 小林浩幸
・国保依田窪病院副院長兼信州大学医学部健康推進学講座 特任教授 城下智

長和町では、町民皆様の健康増進を目的として、令和3年6月より20歳以上の全町民の方を対象に町民ドックや依田窪病院外来受診時の血液検査の残りを用いて、ウイルス性肝炎と肝硬変の有無を調べる検査を行っております。検査費用は無料です(検査結果により受診する場合は健康保険での診療になります。)。これまでに、保健センターで行う町民ドックと依田窪病院健康管理センターでの健診、依田窪病院へ定期受診をされている方2594人(令和5年6月30日現在)に検査が行われています。
令和3年6月以降、依田窪病院外来もしくは町民ドックで血液検査を行っていない方、もしくは令和5年度に町民ドックの受診の予定がない町民の方に、順次、肝炎検査の希望調査票を送付しております。ご案内通知が届いた方は、ご一読いただき同封の検査希望表を記載後、お手数ですが案内状の記載の期日までに投函をお願いします(今まで通り電話での予約も受け付けております。記載の連絡先までご連絡ください(こども・健康推進課、健康づくり係(【電話】68・3494))。今まで検査があることを知らなかった方、平日の検査を受検することが困難であった多くの皆様に休日検査を受検いただいております。8月以降では8月19日(土)、8月27日(日)、9月23日(土)に予定しております。検査を受けていない方は受検をご検討ください。
今回は、「奈良宣言」についてお話します。今年の6月15日・16日に開催されました日本肝臓学会総会で「奈良宣言」が出されました。(図1・本紙P22参照))
簡単に言うと、「血液検査でALTが30以上といわれた人はかかりつけ医を受診しましょう」ということです。その中で特に、(1)肝炎ウイルスが陽性の方(長和町で肝炎検査を受けられた方については受診を勧められた方)、(2)健診やかかりつけの先生に糖尿病や高血圧症、脂質異常症を指摘されている方、(3)アルコールの摂取量が多い方、(4)よくわからないけど昔から肝臓の数値が高いといわれている方は専門の先生に一度診てもらうことを勧める内容となっています。
ALT:30は血液検査の結果では「正常値」となりますが、(1)から(4)に該当する方では肝臓の病気(慢性肝炎や肝硬変など肝臓が硬くなる病気)が進行している可能性が明らかになってきております。長和町の肝炎検査を受けられた方ではM2BPGiが(+)となっておられる方も肝臓の病気が隠れている可能性があるため受診をお勧めさせていただいております。なお、長和町の肝炎検査結果が、このALT:30という基準を決定するにあたり、日本に大きく貢献していることを申し添えます。
肝臓は「沈黙の臓器」といわれ肝臓の病気にかかっていても無症状なことが多く、かなり進行するまでは自覚症状はありません。また、通常の健診では肝炎検査は行われておらず、御自身の健康確認のためにも、一度検査を受けていただきますようお願いします。

問合せ:こども・健康推進課健康づくり係
【電話】68・3494

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU