信州大学医学部健康推進講座

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文責：
・信州大学医学部健康推進学講座　助教　小林浩幸
・国保依田窪病院副院長兼　信州大学医学部健康推進学講座　特任教授　城下智

長和町では、町民皆様の健康増進を目的として、令和3年6月より20歳以上の全町民の方を対象に町民ドックや依田窪病院外来受診時の血液検査の残りを用いて、ウイルス性肝炎と肝硬変の有無を調べる検査を行っております。検査費用は無料です(検査結果により受診する場合は健康保険での診療になります。)。これまでに、保健センターで行う町民ドックと依田窪病院健康管理センターでの健診、依田窪病院へ定期受診をされている方2811人(令和5年7月31日現在)に検査が行われています。
令和3年6月以降、依田窪病院外来もしくは町民ドックで血液検査を行っていない方、もしくは令和5年度に町民ドックの受診の予定がない町民の方に、順次、肝炎検査の希望調査票を送付しております。ご案内通知が届いた方は、ご一読いただき同封の検査希望表を記載後、お手数ですが案内状の記載の期日までに投函をお願いします(今まで通り電話での予約も受け付けております。記載の連絡先までご連絡ください。今まで町民の多くの方に休日検査を受検いただいており、待ち時間もほとんどなく検査を受けていただいております。9月以降の休日は、9月23日(土)、10月28日(土)に予定をしております。また、月曜～金曜日(祝日等を除く)の平日は13時～16時まで依田窪病院で行っておりますので、検査を受けていない方は受検をご検討ください。
今回は、かゆみ(図1)についてお話します。肝臓とかゆみは一見関係ないように見えますが密接に関連しております。一般的にかゆみの原因としては蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、ご高齢の方では脂漏性皮膚炎などがあります。これらの皮膚疾患はからだの一部であったり、かゆい部分に何らかの見た目の変化が認められます。一方で肝臓が原因で生じるかゆみは(1)全身にかゆみが生じ見た目の変化がない、(2)かゆいところをかいてもかゆみが治まらない、(3)皮膚や目の色が黄色くなっている、(4)体がむくんでいるといった症状を伴うのが特徴です。肝臓疾患の患者さんの4人に1人(日本肝臓病患者団体協議会が実施した「肝炎患者の生活実態と意見」のアンケート調査より)は程度の差はあれ、かゆみの症状があるといわれています。皮膚疾患のかゆみは抗ヒスタミン薬を使用することでかゆみを抑えることが可能ですが、肝臓疾患によるかゆみは、オピオイドと呼ばれる物質が脳に直接刺激を与えるため、抗ヒスタミン薬や鎮静薬を使用しても有効でないことが多くあります。(1)肝炎ウイルスが陽性の方(長和町で肝炎検査を受けられた方については受診を勧められた方)、(2)健診やかかりつけの先生に糖尿病や高血圧症、脂質異常症を指摘されている方、(3)アルコールの摂取量が多い方、(4)よくわからないけど昔から肝臓の数値が高いといわれている方でかゆみを伴っている方、皮膚科などを受診したが良くならない全身のかゆみがあるけど肝機能検査などを受けたことはない方は一度肝臓外来受診をご検討ください。
※図(1)について詳しくは、本紙またはPDF版22ページを参照してください。

問合せ：こども・健康推進課健康づくり係
【電話】68・3494