◆糖尿病と血糖値の関係
血糖とは、血液中に含まれるブドウ糖のことです。ブドウ糖の主な原料は、米やイモ類、果物、砂糖(炭水化物)などで、生きるためのエネルギー源として使われます。食事をすると血液中の糖(血糖)が増え、膵臓(すいぞう)から出るインスリンというホルモンの働きで、全身の細胞へ糖が運ばれ、血糖が減ります。健康な人の血糖値は、一定の範囲で上がったり、下がったりして正常に保たれていますが、インスリンの働きが悪くなるなどの原因で血糖値が高くなる状態が続くと、糖尿病を引き起こします。
定期的に健康診断や検査を受け、まずは自分の体を知ることが大切です。
◆健診結果で注目したいHbA1c
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)とは、時間で変化する血糖値とは違い、過去1~2カ月の平均的な血糖の状態を表します。HbA1cが高いというのは、血糖値が高い状態が続いていることを意味します。健康診断の結果で、HbA1cが5・6~5・9%の方は「血糖値がやや高め」といえます。「やや高めならまだ大丈夫」と思い込まず、生活習慣の改善に取り組むことが重要です(下表参照)。
HbA1cによる健康状態の判定
◆将来的に糖尿病になりやすい「妊娠糖尿病」
「妊娠糖尿病」とは、妊娠中に発見または発症した糖代謝異常です。出産後に血糖値が正常に戻ることが多いですが、将来的に糖尿病を発症するリスクが約7倍高いといわれています。過去に1度でも診断された方は、将来のために、今から対策しましょう。
◆糖尿病予防のポイントは食事と運動
◇食事のポイント
血糖値が上がりやすいご飯などの炭水化物を食べる前に、野菜を食べることで血糖値の上昇がゆるやかになり、体への負担を減らすことができます。野菜は1日350グラムを目指しましょう。
350グラムは野菜のおかず5皿分
生で・ゆでて・煮て・炒めて・あえて
◇運動のポイント
体を動かすと、筋肉へ糖が取り込まれて血糖値が下がります。ウォーキングなどの運動だけでなく、家事などでこまめに動くことも効果があります。1日8000歩、または歩行と同程度の身体活動を1日60分以上目指しましょう。
1000歩相当の運動例:
・10分のウォーキング
・10分以上の掃除機かけ
◆糖尿病予防教室
3つのテーマごとに糖尿病の予防方法を学びます。血糖値が「ちょっと高め」の方、治療をしていない方、過去に妊娠糖尿病と診断された方向けの教室です(全ての回に参加することをおすすめします)。
場所:保健センター
定員:各回40人(申込順)
申込期間:1月14日(火)~24日(金)
申込方法:本紙の二次元コードから電子申請または保健センターへ電話
◇内容・日程
(1)糖尿病を知る
糖尿病の病態と予防
日時:1月31日(金)午前10時~11時30分
講師:西井裕さん(長野市民病院糖尿病・内分泌内科顧問医師)
(2)正しい食事を知る 糖尿病を予防する食事方法
日時:2月14日(金)午前10時~11時30分
講師:市管理栄養士
(3)効果的な運動を知る 糖尿病を予防する運動方法
日時:2月28日(金)午前10時~11時30分
講師:長野県健康づくり事業団健康運動指導士
申込・問合せ:保健センター
【電話】026-248-9023
<この記事についてアンケートにご協力ください。>