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マイオピニオン 意見・私見

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長野県飯山市

なぜ画伯⁉ ―画伯として思うこと―
飯山地区 木村友子
職を探して、勤務先が決まったとき、知人に美術館に勤務することになったと伝えると、「美術館ってどこにあるの?」と言われた。他の知人は「飯山に住んで40数年になるけど飯山に美術館なんてあったっけ?」と。
ずっと飯山に住んでいる人にさえ、美術館の存在が認知されていないことはとても残念でした。まあ、私自身も高校卒業後、郷里を離れて首都圏で生活しUターンしてきた者で、飯山の文化施設は全くといっていいほど知識がありませんでした。
縁あって美術館に勤務することになり、自身も芸術にはまったく縁もなく、大丈夫だろうかと思っていましたが、「作品を鑑賞して理解しようなんて思わなくていいんです。自身が感じるままで、きれいだな〜とか、楽しそうな絵だな〜とか、そんな感じで気負わずに観ればいいんですよ」と助言していただき、不安が減り従事することとなりました。
どうすればもっと皆さんに美術館を認知してもらえるのか相談していたところ、他の職員が私の似顔絵を描き、ベレー帽を書き入れて、なんだか「画伯」みたいになったのをキッカケに、画伯の姿でPRを始めた。美術館入口の重いガラス扉を気軽に開けてもらうには、とにかく注目してもらうことだ。当時の上司には「節度を持ってやるように」と釘をさされ、ケーブルTVでは他局のディレクターから「本当に市の職員が担当しているのですか?」と驚かれながらなんとか今まで続けています。おかげで、街で買い物をしていても「画伯」と声を掛けてもらえるようになりました。少しは美術館に親しみを持ってもらえたのかな、とうれしくなります。この活動が美術館という施設の敷居をできるだけ下げ、誰もが気軽に観に来てもらえるようになってほしいと思います。
飯山市美術館は開館して26年になります。郷土の作家や、飯山市にゆかりのある作家を中心に展示しています。心にビタミンを入れにぜひお越し下さい。
ただ、「画伯」でお迎えはできませんよ。悪しからず。
筆者紹介:画伯に扮した木村さん。iネット飯山で美術館の作品解説などを担当しています。(飯山市公民館)

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