前回は『正保絵図飯山城』と『松平時代飯山城下町絵図』を比較して城内の変化を見ました。今回は城下の変化を見てみます。
『松平時代飯山城下町絵図』を見ると、城のまわりに侍屋敷が配置されています。『正保絵図飯山城』では「侍屋敷」と記すのみでしたが、『松平時代飯山城下町絵図』では家中の名前が詳細に記されています。また、沼地だった城の北西には新たに侍屋敷が整備されています。
城下町は5町に変わりはありませんが、これまで書かれていなかった愛宕町、伊勢町の町名が見られます。また西丘陵上には20近い社寺が整然と配され、街路がところどころ曲折している様子も分かり、城下町の特色が見られます。松平時代には町家数も増加し、4万石の城にふさわしい規模を備えた城下町であったことがうかがえます。
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