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精肉店特集ーお肉は元気の源だ!!ー(3)

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長野県高森町

■肉のウチムラ

看板に描かれた愛らしい羊のイラストがトレードマークの「肉のウチムラ」。家畜商だった初代が昭和年代に創業した老舗精肉店です。看板商品は「丸〜るいラム」と名付けられた羊の肩肉や、厚めにカットされた柔らかなマトンロース、ラムロースなど。地元産の豚肉も、脂に甘みがありおいしいと評判です。
「こだわりは昔ながらのやり方を続けていること。肉は注文を受けてから切り立てでお渡ししています。特に羊肉は切ったあとにサーッと出る鮮やかな色があり、切り置きするとその色が出ないんです。お客さんをお待たせしてしまうのは心苦しいのですが、そこにはこだわっていますね」と穏やかな語り口で話してくれたのは店主の内村宏行さん。内村さんが精肉業界に入ることを決意したのは高校2年生の時でした。
「二代目夫婦には跡取りがおらず、親戚だった私に『店を継いでくれないか』と打診がありました。迷いましたが偶然にもその時、飯田の精肉店でアルバイトをしていたんです。知らない業界ではなかったし、高森にも普段から遊びに来ていて『この店をなくしたくないな』という思いもあったため両親とも相談して決めました」
高校卒業後は食肉の専門学校で学び、横浜のスーパーでの修行を経て帰郷したのは22歳の頃。
「そのころ当店では羊肉と豚肉がメインで、まだ牛肉の扱いがありませんでした。修行先とは食文化も売り方も違って、慣れるまで苦労しましたね。また、今でこそフルーツラインができてわかりやすくなりましたが、以前は『店に行きたいけど迷って辿り着けない』とお客さんから電話がきたことも。わかりづらい場所ですし、卸がほとんどで店売りは2割程でした」
それでも肉のおいしさが口コミで広まるにつれ、地域の内外からお客さんが足を運ぶように。加えて人気を集めたのが珍しい粉タイプの「タレの素」です。初代と二代目が考案したもので、調合、袋詰めなどすべて自家で行い、年間5000袋ほど製造しています。
「メーカーがまだ焼肉のタレを販売していない時代に『家で簡単にタレを作れるように』と考案したそうです。調合の割合は二代目が妻(梨恵子さん)に伝授したので実は私も知らないんですよ」と内村さん。まさに”秘伝の味”です。醤油で溶けば羊肉によく合う味わいに。また、甘口の焼肉のタレに入れたり、これからの季節は豚汁やしゃぶしゃぶのポン酢にプラスするのもおすすめです。
「ここ数年よく出るのがラムしゃぶ用の薄切り肉。お客さんの声から生まれたもので、冬は焼肉をしのぐほど人気です。『タレの粉をポン酢に入れるとおいしいよ』という話もお客さんから教えてもらいました。お客さんから学ばせていただくことは多いですね」
コロナ禍には、イベントや祭りの中止も相次ぎ苦労もありましたが、今年は春ごろから出前焼肉のオーダも増え、活気も戻りつつあると話します。
「お客さんの『おいしい』という言葉が励み。店売りはもちろん、学校給食や病院など卸の方も安定した良いお肉を提供して、これからも地域の皆さんにおいしいお肉を食べていただきたいです」

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