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〔特集〕子どもの笑顔が輝くまちを一緒に~親子応援隊おてこの会~(1)

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長野県高森町

5月5日はこどもの日。子どもたちの健やかな成長を祝い、幸せを祈る日です。
少子化社会と言われるようになって久しい現代。ライフスタイルや社会の変化により、子どもや家庭を取り巻く環境も大きく変わり、不安や悩みも多様化しています。
このような状況の中で広がりつつあるのが、地域の皆さんが主体となり、心のふれあいを通して親子を支える支援の輪です。それぞれの悩みに思いを寄せながら、迅速に的確な対応ができることから、子育て中の親子にとって大きな力となっています。また、支援を必要としている人、支援する人の両方が生き生きと輝く社会の実現にもつながり、まちに元気も生まれています。
今回紹介する「おてこの会」も、住民主体で生まれた育児支援活動のひとつ。〝おてこ〞とは長野県の方言で「お手伝いする人」を意味する言葉です。「自分たちが今持っている力で、子育て中の皆さんのお役に立つことがあれば」と話すのは代表の倉沢千穂子さん。会が発足した経緯やその思い、今後の目標についてお話を聞きました。

■おてこの会としての活動
ー4カ月児健診でスタイをプレゼントー
手作りのスタイとメッセージカードを贈り、おてこの会をPR。
「何かあったら私たちがお手伝いします。いつでも気軽に声をかけてくださいね」とお母さんたちに呼びかけています。

■おてこの会ではこんなお手伝いをしています
(1)0~3歳児の親子への支援
・あったかてらす利用者との遊びや触れ合い
・親御さんの相談、話し相手に
・子育てサークルや親子講座などの際の子どもの見守り
・ファミリーサポート事業の協力会員として子育てを支援

(2)保育園への支援
要請に応じて、行事などのお手伝いや園児の見守りへの協力

(3)小・中学校への支援
学習の支援(コミュニティースクール講師などでの協力)
例:干し柿作り、ミシン学習(南小学校)、クラブ活動(北小学校)、読み聞かせの会(ぐりとぐら)など

[派生団体]
かいじゅうの会(不登校の子どもを持つ親の会)

■Interview
ー子どもの未来はまちの未来 地域みんなで子どもを育てられる環境をー
親子応援隊おてこの会
代表 倉沢千穂子さん

◇親子を支える「おてこ」の心
「『孤育て』をなくしたい」「ママやパパ、子どもたちの笑顔を増やしたい」。そんな思いを胸に活動を展開するおてこの会。令和4年、町の主任児童委員を務める倉沢千穂子さんが、同じく主任児童委員を務める平澤美穂子さんに声をかけたことがきっかけとなり結成されました。
令和2年から主任児童委員に任命されたものの、就任と同時にコロナ禍となり学校にも保育園にも出入りすることができない状態に。それまでにもファミリーサポートの協力会員として、子育て拠点施設「あったかてらす」で親子と触れ合ってきた倉沢さんですが、コロナによる利用制限が緩和され、子どもとあったかてらすを訪れた母親のひとりが「あー。久しぶりに大人としゃべった」と話していたと聞き、ハッとしたと言います。
「私の家は、私の両親から孫まで4世代で賑やかに暮らしていますが、子どもが幼い頃は夫の仕事の都合で転勤生活を送り、ワンオペ※で子育てしていた時期もありました。肉親も頼れる人もいない中で子育てをする苦労はよくわかります。何か少しでも力になれたらと思いました」
倉沢さん、平澤さんを中心に関心のあるメンバーに声をかけ、最初は5人で活動をスタート。何ができるかを模索する中で「まずは親御さんが困った時、相談相手になれたら」と健診でのPR活動を始めました。
「4カ月児健診は、高森町で生まれたお子さんが初めて集まる機会。手作りのスタイをプレゼントしながらPRを始めたのが昨年11月からです。深刻な悩みはこども家庭総合支援室に集約するべきですが、そこまでいかない悩みであれば、子育て経験者のおばちゃんたちばかりですし、話し相手くらいにならなれるかなと」
現在メンバーは15人。現役の子育て世代もいますが、ほとんどが退職世代です。0〜3歳児の支援に加え、コミュニティースクールにもボランティアとして参加するなど、保育や学校の現場でもおてこの会のメンバーが活躍しています。

※ワンオペ…ワンオペレーションの略。全てのことを1人で行う状況。

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