文字サイズ
自治体の皆さまへ

〔特集〕美しきふるさとの原風景をこれからも(1)

1/19

長野県高森町

まちが夕闇に染まるころ、水辺の草の間や木陰にポツリ、ポツリと浮かび上がる黄緑色の淡い光。ホタルの里として知られる山吹・寺沢川中流の「やまぶき天伯峡」では、毎年6月中旬〜下旬にかけておよそ2000匹のゲンジボタルが川面を舞い、その幻想的な風景が人々の目を楽しませています。「ホタル舞う、この風景を後世へ残したい」と維持・管理活動を行ってきたのが山吹天伯峡ほたる管理委員会の皆さん。水辺の環境保全やホタルの養殖など年前から続けてきた活動が実を結び、ホタルの生息する環境が守られています。
この「やまぶき天伯峡」をはじめ、高森町には緑豊かな里山や段丘林、田畑・果樹園、美しい清流など数多くの素晴らしい風景があります。その景色は長い時をかけて人々が自然と寄り添いながら作り上げてきたものであり、町に暮らす人はもちろん、この地を離れた人の心の奥にも「ふるさとの原風景」として残る大切な地域の宝です。
町では「ふるさとの自然を育み、自然の恵みを活かして人の暮らしを支えるまち」を目指して、景観や生態系を守るための取り組みや、カーボンニュートラル、循環型社会の実現などさまざまな活動に取り組んでいます。「地球の自然は次代に引き継ぐものでなく、次代の人々から借りているものであり、汚さず返さなければならないもの」。これは町が定めた環境保全条例に記された言葉ですが、こうした意識をもち、自然への愛着を深め、行動の芽を育むことも大切な一歩であると考えています。ふるさとの美しき原風景を守り継ぐため、私たちに何ができるのか一緒に考えてみませんか。

■ホタルを通して地域への愛着心を育てる
町では、学びを通して自分たちの住む地域を知り、地域に愛着を持ってもらうために、山吹天伯峡ほたる管理委員会の協力のもと、高森北小学校の4年生の児童を対象とした「水辺の学習」と「ほたる観察会」、ホタルの幼虫の生育・放流などの活動を行っています。
水辺の学習では、松本市を中心にホタルの保全活動に取り組んでいる信州大学(理学部)名誉教授の藤山静雄先生を講師に迎え、専門的な観点からの観察を行います。天伯峡の川へ実際に入り、ホタルの幼虫がどんな所に棲んでいるかを肌で知り、生息する昆虫などを学校へ持ち帰って図鑑を見ながら分類します。ホタルの幼虫をはじめ、カニやヤゴなどたくさんの生き物が棲んでいることが分かり、ホタルが棲みやすい環境は、多くの虫にとっても棲みやすい環境であることが実感できます。また「ほたる観察会」ではホタルが飛び交う姿を見ながら、学習したことを実際に自分の目で見て体感します。活動を通じて得られる感動は子どもたちの心に思い出として残り、地域の環境保全の大切さについて理解を深めることにもつながっています。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU