【episode.2】
自分は歳だと理由にする前に、できるところから、「動」いてみること。
小島 朝子(あさこ)さん
多くの団体、9つに所属している小島朝子さん。今回はその中でも川守町内会女性部について話を伺った。
「いまは25名在籍しているけど、20年前に私らが立ち上げて、その当時は3名」と立ち上げるきっかけは地域のねぶた、伝統を守る、支えるという考えからだった。
「普通、婦人会という名前でもよいのだけれど、女性部という名前の方が、門戸が開けやすく入りやすいように、例えば、べこもち作るよってなったときでも一緒に参加しやすいようにと」と優しく話す。そうしたこともあり、現在25名の元気な女性たちが在籍している。
「いろいろやってるけど、女性部の活動として、シャドーボックス(※)を作ったりして、秋の町内文化展に出したり、欲しい方もいて」と嬉しそうに笑顔で話す。
このシャドーボックスも20年前、町内に作品を作る方が広め、現在も毎週木曜日に集まって作品を生み出し続け、額内からあふれ出る繊細さに多くの人が感動している。
―シャドーボックスをはじめ、皆さんと活動することは楽しいですか―
「楽しいですよ。お茶を飲むだけでもいい。その日活動が難しくたってお茶を飲むだけという何気ないきっかけでコミュニケーションが取れるし、それが災害時とか大事な場面で生きてくると思う」多くの団体に参加している小島さんだからこそ、広い視野を町内会にも生かそうとする意識だ。
「いま現在、うちには50代の方もいるので、上手に各年代一緒になってコミュニケーションを取りながら支え合っていきたいと思っています」
続けて、「過去を振り返れば、いろいろ大変なこともありましたが、全部いまは良い思い出で、楽しかったですよ」と回想しながらおだやかな笑みを浮かべ答える姿が印象的だった。
―小島さんが今後意識していきたいことは何ですか―
「まずは自分を含め「動」きたい。コロナ禍で町内の住民の活動が停滞した。外に出ることがおっくうになってしまったところを、各年代が手を取り合ってサポートしたい。みんなの協力がなければ町内会でも何でも活動できないし、自分は歳だと理由にする前に、できるところから「動」いてみること。前向きになることかな。人とのつながりも大事だから」
顔をほころばせながら小島さんは続けて言う。
「個人的にやりたいことがあるんだけどね。書道をやりたいの。心が落ち着きそうでいいなと。80歳でもお着物を着て、踊りのお稽古をしている方もいるから、歳って関係ないなあ」と明るく話す小島さん、とても前向きだった。
※シャドーボックス…幾重にも切り絵を貼り合わせ、立体感を生み出す手芸のひとつ
【episode.3】
「地域の人間関係」も、大事にしてほしい。
むつ市老人クラブ連合会 会長
布施 勝大(かつひろ)さん
布施会長は元先生で社会科が専門である。コロナ禍に現在の会長職に就任した。
「いま我々は先輩方のレールに乗っているだけで、かつ先輩方に活動を頑張ってもらっているんだ。新しい人が来ない」と話す。
「コロナ禍ということもあり、行きたいけど行けない人もいるはずだから、老人クラブの支部や町内会の老人クラブが一緒になって元気に「動」いて活動しているところを、若い地域の方々に見てもらう。そうすることで門戸は開き、新しく一緒に活動しようと思う方が増えるんじゃないかなと思う」と布施会長。実際に支部同士で連絡を取り合っての独自イベントであったり取組みを展開しているのだとか。
「活動的だなと思う老人クラブがあって、人数は10名弱で少ないし、交通の便が悪く、連合老人クラブの会議に出席ができなくても大丈夫かとそのクラブの皆が心配していたんですが、踊りが好きで好きで活動していて、芸能発表会でも披露する。会議の出席とかよりもそういう活動をしているうちに、みんなの活動的で元気な姿を見て、人もおのずと集まってくると思うんだよね。まずは「動」くことかな」
学校の先生だったからこそ、老若男女が一緒になって寄り添いあい、住みよい街になるようにと願い、活動している様子。
―若い方々にメッセージはありませんか―
「そうだね。職場の人間関係も大事だと思う。でも、地域の人間関係も大事にしてほしいな」と語った。
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