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自治体の皆さまへ

冨岡幸夫(第28代 むつ市議会議長)×山本知也(第19代 むつ市長)(2)

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青森県むつ市

市長:話は変わりまして、今年はどんな年にしたいでしょうか?

議長:市民にとって良い年になってほしいと、切に思います。市長からもありましたが、昨年のむつ市の夏は観測史上最高気温を記録するなど熱中症や農作物の不作、ホタテの大量へい死など異常事態がたくさん発生しました。ほかにも、新型コロナウイルス感染症が落ち着いたかと思えば季節外れのインフルエンザの流行など、これは災害とも言える1年でした。ですので、今年1年、市民の皆さまには体調に十分に気を付けて過ごしていただければと考えています。
また、地域の発展、経済が潤うことを阻害するような事態でしたので、これらを解消するように行政と歩みを合わせていきたい。これがひいては、市民のため、子どもたちのためとなり、人口減少に歯止めをかけることにも繋がると考えています。なかなか難しい課題ですがやはり人口が減るというのは、全て大きな影響を与えます。経済はもちろんのこと、学校教育も、地域の事業をやっている方々においても、全てに影響が及びます。なので、知事は合計特殊出生率2.0を目指すと話されていましたので、若い知事、若い市長が牽引して少しでも人口減少をストップさせて明るいむつ市を築いていけたらいいですね。市長はいかがですか?どんな年にしたいでしょうか?

市長:議長も話されましたが、昨年、青森新時代を迎えまして、「青森モデル」と呼ばれる合計特殊出生率2.0を目指す、この事業をむつ市が牽引していくために、むつ市としても新しいスタートが切れるように、子育て支援政策を充実させていきたいです。
昨年から18歳までの医療費を無償化にしていますが、今後は給食費の無償化をはじめ、保育料や高校生のスクールバスの負担軽減、おむつも今は0歳だけですが1歳児以降で必要な全ての子どもたちを無償化にするなど、どれからはじめられるか、まだ検討中ですが子育て政策を複合的に進めて行きたいです。本当に子育てしやすいまち、子どもを産みたいまち、生まれてからも子どもたちが生まれてよかった、住んでよかったって思えるまちを作っていく「初年度」にしたいなと。
そのことによって、青森モデルのモデル地域、牽引できる地域にむつ市はなりたいなという1年にしたい。それが、2024年の一番の目標です。
また、議長も話されましが、やはり春にはトマト農場が完成予定で、いよいよむつ市の新しい産業が生まれます。当市を含めて下北地域は海に囲まれたまちで、今までは、やませの影響で野菜や米があまり取れない、そういう地域でありましたが、水耕栽培という手法を活用し、オランダの技術をふんだんに使ったスマート工場ができます。
これを契機に、トマトだけではなくて、今後ますます様々な作物がこのむつ市で、少ない面積でもこういう厳しい気候の中でも食物の生産をしていき、ゆくゆくは一大生産地、フードバレーとなれるように取り組んでいきたいと思います。
続いてですが、議長として今後の展望を伺ってよろしいですか?

議長:山本市長が昨年実施したスマイル・トークリレー「FLAT」で市民からの声を聴くということが、かなりの回数、スピード感を持ってやられておりましたね。そのことが地域の発展、または政策的なことに繋がっている、直結しているということがある。 議会はどちらかというと自分たちから物事を政策提案するより、行政をチェックする事が先になっていて、どうしても直接市民からの声を聞く機会が少ないと感じます。これからはそんな機会を設けて、直結した声をしっかりと聞き、市民目線で受け答えができる議会にしていきたい。
まずは任期初年度の目標として、どこまでできるのかを議員の皆さんに問いかけながら、前向きに進めていきたいと思います。

市長:そうですね。市政は二元代表制ですので、議会で出た声をしっかりと市政に反映する。それはイコール市民の声ですので、そういった声を政策に反映していかなければいけないと思います。
一方で私自身も昨年に引き続きしっかりと市民の声に耳を傾けて、そこから出てきた課題や声が政策にならなければ意味がないと思いますので、できることは新年度からスタートしていきたい、スピード感を持って取り組んでいきたいと思います。引き続き、むつ市政へのご理解とご協力をよろしくお願いします。

議長:むつ市議会も一緒に、市民の声に耳を傾け、笑顔を支えたいと思います。

◇スマイル・トークリレー「FLAT」
山本市長公約の「対話の文化で描くまちづくり」実現のため、市長と市民の皆さまが「FLAT(目線を同じく・対等な立場)」に対話を重ねる事業。昨年4月の市長就任直後の5月から12月1日時点で28町内会、3団体、2校および全地区町内会長を対象とした対話(右)を含め34団体、計549名の市民の皆さまと対話。この中でいただいた「声」の中には、令和6年度新事業として展開するものもあり、今年も継続して実施していく。

■今年注目の事業
◇こどもの権利に関する条例 こどもオンブズパーソン
子育て支援政策のさらなる充実を図り、子育てに係る負担軽減のほか、令和6年3月に、こどもの権利に関する条例が制定される予定であり、この中で専門家等で構成される「こどもオンブズパーソン」が設置されることにより、子どもの声に耳を傾け、子どもの権利を守っていく。

◇スマート農場、稼働
令和6年4月稼働予定の株式会社寅福むつ農場は、カーボンマイナス構想の実現に向けた設備はもちろんのこと、コンピュータ制御による栽培管理に加え、AGV(無人運搬車)を活用した世界最先端の植物工場であり、1年を通してトマトの栽培・収穫が可能となっておりむつ市のスマート農業拠点化の足がかりとなっていく。

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