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【特集】ここから未来へ続く道

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青森県むつ市

■いのちの道路
下北半島縦貫道路は令和4年度に全線事業化を果たし、全長約70kmのうち、これまで28・7km、約41%供用開始しています。
令和元年12月、昨年3月にむつ南バイパスの一部が供用開始され、令和7年度には、むつ南バイパスの全線および横浜吹越インターチェンジから道の駅よこはま間と合わせて13・8kmを供用する見通しです。これにより供用率は全体の約61%となります。
今年1月に発生した能登半島地震では、半島特有の地理的な特徴から、道路の寸断による孤立集落の発生、避難・救援活動に大幅な遅れが生じるなど広範囲にわたる甚大な被害がありました。大部分が山林で海岸線を3路線で支えている下北半島はこれに酷似しているといえます。
半島部の強靱化対策として、道路の代替性の確保など道路ネットワークの強化は必要不可欠です。8年後の令和14年に全線開通を目指す下北半島縦貫道路は住民生活を支える「いのちの道路」となっていきます。

■つながりを広げる道
下北半島縦貫道路は観光振興においても、重要な役割を担っています。青森県下北地域県民局では、令和6年度から下北半島観光コンシェルジュ事業として、旅行者が下北管内の各スポットに立ち寄る動機付けのため、情報が得やすいスマートフォンアプリによる多言語での情報発信を実施することとしています。
デジタル観光ツアーアプリ「Spot Tour」ではデジタルスタンプラリーにより、地域の特性と現状を踏まえたコースを設定し、下北の名産を景品とすることで、下北を知ってもらうきっかけづくりと来訪意欲の増進を目指しています。
多言語での情報発信を予定していることもあり、国外へのPRも期待できるほか、下北地域内の観光スポットを周り、全国大会を開催する下北ジオパークや各地区の優れた食などを観光客に体験してもらいながら、観光消費の増加を狙っています。
観光振興の基盤として、ここにしかない下北と人をつなぐ道となり、支え合いお互いに楽しみあってつながりを広げる道、さらにこれから下北の未来へとつながる道となるべく整備が進められています。

■三途の川より縦貫道渡らせて!!
「“あの道路だっきゃわいど死んでも出来ねって”70、80代くらいの方からかな、当時活動中に言われたんです。今では私が同世代になって、本当にあの方々の言うとおりだったな」と苦笑いする清川塾長。それでもむつ市、下北のために開通まで頑張りたいと笑顔でお話する姿はパワフルで、こちらまで元気になります。
平成17年の下北未来塾設立から今年7月で20年目に突入。「道づくり、まちづくりに女性の視点を」との趣旨により設立された当時は「女性と道路」というイメージがまったく結びつかなかったし、道路の出来る仕組みさえもわからなかったと言います。「何をどうすればいいかもわからないまま始めた活動だったけど、高度な医療を受けたくても何時間もかけて通院しなくてはならない現状を見て、地域の違いで命に差があってはいけないと強く感じたし、令和3年の豪雨での小赤川橋崩落の体験や、今年1月の能登半島地震での被害から避難道路としても、下北半島縦貫道は一層早く全線開通させなければと思います」と真剣に語る眼差しがとても印象的でした。
活動してきた中で、一番達成感を感じたことは何ですかとの問いに、「『全国みちづくり女性ネット』の代表として活動した3年間かな。本当に大変なことばかりだったけど、たくさんの人に助けられて知っている人が増えたこと、つながりができたことが私の宝物になりました」と誇らしげにお話してくださいました。
「道路を活かしたまちづくりのアイデアが自分の中ではいっぱいあるんです」と清川塾長。
8年後の未来に向かって、ますますパワフルに活動を続けていきます。

■わたしたちと一緒に頑張ってくれる仲間を募集しています!!
下北未来塾
清川 わか 塾長

平成17年設立当初から活動に参加し、下北半島縦貫道路早期完成のため2代目塾長として精力的に活動を続けている。平成29年には「全国みちづくり女性ネット」代表に就任し、3年の任期を務めた。国や関連機関への要望活動は下北未来塾設立当初から現在も毎年続けている。

「下北未来塾でのシンポジウムや活動の一環として替え歌を考えている時に『三途の川より縦貫道渡らせて!!』を思いついたの。今活動している人で90代を迎える人もいる。何もピチピチの若者じゃなくてもいいの。全線開通するまでの8年一緒に頑張ってくれる人を探しているんです」
完成まで想いを途切れさせないために、下北未来塾の後継者獲得にも力を入れていきたいと話している。

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