さまざまな立場・考え方の人たちがいる中、互いに歩み寄る方法として考え出されたのが、地域猫活動です。地域猫活動とは、繁殖力の強い「野良猫」へ無計画に餌を与えるのではなく、避妊去勢手術をして地域の理解のもと、地域住民が主体になって計画的に管理する活動のことです。
■現代の猫問題
最近、野良猫に関する問い合わせが増えています。そもそも、野良猫はなぜ増えるのでしょうか。
▼なぜ野良猫が増えるの?
(1)飼えなくなって捨てた
(2)多頭飼育されていた猫が外に出た
(3)外に出た猫が帰ってこなくなった
(4)野良猫に餌をあげる人がいる
▼野良猫が増えると…
野良猫が増えると、他の住宅の車庫などに住み着き、周囲の生活環境やご近所仲の悪化につながります。
猫がかわいそうでも、餌を与えることで自分自身の健康や生活環境がおびやかされる可能性もあります。
▼野良猫に対する地域の人の思い
野良猫の餌やりは、ご近所トラブルや野良猫を増やすことなどにつながることを理解していても、野良猫に餌を与える人が減らないのはなぜでしょうか。それは、お腹をすかせた動物を見捨てることができないという「動物を愛する心」に起因するからです。
▽野良猫に餌を与える人
「かわいそう。私が餌をあげないと…」
・周囲から新たな猫が集まる
・栄養状態が良くなり、繁殖して子猫が生まれる
▽野良猫被害にあっている人
「こっちは迷惑しているんだ!」
・糞尿で汚れる
・庭、畑が荒らされる
・車に傷がついた
・鳴き声がうるさい
▽どちらでもない人
「猫、好きなわけじゃないけど…別に嫌な思いもしていないし…」
野良猫が地域にいることを気にかけていない。
・今のところ被害にあっていないが、野良猫が増えたら被害にあうこともある。
■青森県地域猫支援事業の紹介
青森県地域猫支援事業は、地域猫活動を支援することにより、活動を普及・定着させ、飼い主のいない猫の適正管理を行い、青森県民の快適な生活を守ることを目的とした事業です。
▼団体条件
※「青森県地域猫支援要領」より抜粋
(1)地域猫活動を実施する地域の理解が得られていること。
(2)活動団体は,地域猫活動を適正に行うことができる2世帯以上の地域住民で構成されていること。
▼活動の進め方
(1)活動団体を作る(2世帯以上)
(2)愛護センターへ連絡する
(3)住民説明会を実施する
(4)住民の合意をもらう
(5)団体登録の申請書を提出する
(6)活動を開始する
(7)計画的な管理および管理状況の報告
▼活動団体への支援内容
(1)地域住民や地域猫活動団体を対象とした、説明会の開催
(2)地域猫活動で管理する猫の避妊去勢手術の無償化
■地域の皆さんへのお願い
(1)ペットを飼うということは、責任を持って一生面倒を見るということです。また、猫を飼う上でかかるお金は、1匹約200万円といわれます。猫を飼う際は、よく考えてから飼うようにしましょう。
(2)猫は、非常に繁殖力が強く生後半年で子どもを産めるようになります。避妊去勢手術をしないと、1年に20匹以上の子猫を産むといわれています。気づいた頃には手遅れになっていることがあります。飼い始めたら、避妊去勢手術を必ず行いましょう。
(3)猫を飼う上で、家の中で飼うことがマナーになっています。ストレス解消などを目的とした散歩のために外に出るときは、猫用のハーネスをつけるなどしましょう。
(4)野良猫にエサを与えないでください。
(5)本紙掲載のイラストのように耳のカットされた猫は、地域猫活動で適正に管理され、避妊去勢手術を行った猫です。ご近所で地域猫活動を行っている団体がある場合は、ご理解くださるようお願いします。活動の内容に賛同いただけるようであれば、活動へのご協力やご支援をいただけましたら幸いです。
(6)野良猫問題を今すぐに解決することは難しいことですが、皆さんにご協力いただくことで、徐々に問題を改善することができます。まずはお気軽にご相談ください。
問合せ先:
青森県動物愛護センター【電話】017-726-6100
三戸町役場住民福祉課【電話】20-1151
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