10月31日、ホテル青森にて第2青函トンネル構想の早期実現を目指す特別講演会が開催され、国会議員や県内の町村長等総勢180人が参加しました。昨年度に引き続き今年も開催された特別講演会は、本州と北海道の人流と物流の課題や新幹線と鉄道貨物の共用問題等の抜本的解決および将来の青森、北海道双方の経済活性化に資する第2青函トンネル構想実現へ向けて、トンネルの必要性とインフラ投資の重要性について認識を共有し、国策採択を目指して機運醸成を図るため、第2青函トンネル構想実現に向けた今別町推進会議が主催したものです。
講演の前に第2青函トンネル構想実現に向けた今別町推進会議の阿部義治会長は「第2青函トンネルの必要性について、さらに勉強し、青森と北海道から機運を高めていく必要がある」と挨拶しました。
■第1部講演
北海道・東北の国土強靱化に伴う第2青函トンネル構想
講師:奥野 信宏 氏
名古屋都市センター所長
奥野氏からは国土強靱化の観点から第2青函トンネルの必要性について説明がありました。
第2青函トンネルができると、津軽半島と渡島半島・函館地区・青森との広域連携が可能になること。
例えば、青森と北海道間のトラック物流の改善や、周遊ルートによる広域観光プロジェクトなど、特色を持った地域が交流連携することによって、情報や知識を出し合い、新たな価値を生み出すことに繋がるといった話がありました。
最後に、経済分析、費用・便益分析が大事であり、欲しいものは欲しいという圏域の強い意志も大事であると、締めくくられました。
■第2部講演
JAPIC津軽海峡トンネルプロジェクト
~青森、北海道の新たなネットワークの実現に向けて~
講師:神尾 哲也 氏
戸田建設(株)専務執行役員 土木営業統轄部長
神尾氏からは東京湾アクアラインを構想、実現した実績を持つJAPIC(日本プロジェクト産業協議会)が掲げる津軽海峡トンネルプロジェクトについての概要と効果について説明がありました。
このプロジェクトは、貨物列車専用の線路と自動運転自動車専用の道路を備えた2本目の津軽海峡トンネルを開通させることが目的であること。このトンネルにより、本州と北海道が道路で結ばれると、物流の円滑化やコストの削減ができ、産業の更なる発展と成長が加速すること。また、大規模災害発生時にもこのトンネルを活用し、復旧へ必要な重機や物資を運ぶ命の道になるといった話がありました。
このプロジェクトの収支の試算やスキームも提示され、実現への道筋が想像できる内容でした。
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