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〔特集〕八戸いちご、めしあがれ

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青森県八戸市 クリエイティブ・コモンズ

青森県で1番いちごが採れるのはどこか知っていますか?実は八戸市なんです。冷涼な気候を活かして栽培される八戸いちごは、時間をかけて熟すので味が濃厚です。
八戸いちごのことや受け継いだ生産者の声を紹介します。

◆八戸いちごのはじまり
今から70年以上前、子どもたちのことを思った多賀小学校の校長先生の発案で「八戸いちご」が誕生しました。

◆いちごができるまで
市内で作付面積が多い品種「さちのか」の栽培方法
5月・6月 前の年から育てていた親株からランナー(子株)が伸びる
7月・8月 ランナー(子株)をポットに受け、苗作りをする
8月・9月・10月 9月中旬までに苗を植え、気温が低下する10月以降にマルチ(ビニールシート)を張る
10月・11月・12月~翌年5月 白い花が咲き、ミツバチが受粉してくれることで実が成り、赤く色付いたら収穫

9月・10月・11月・12月~翌年5月 来年の親株を育てる

◆八戸いちごをもっと身近に
農業経営振興センターでは、地産地消の拡充に向けて社会科見学の受け入れを行っており、試験栽培しているいちごの見学もできます。試験栽培で得られたデータは生産者へフィードバックして生産者の皆さんをサポートしています。
また、親子スイーツづくり体験会やスイーツの販売などを行う「八戸いちごマルシェ」を11月19日に開催しました。来年度も開催予定ですので、ぜひお越しください。

◆八戸いちごのこれから
生産者、生産量はこの10年間で約半分に減少しています。担い手不足、資材費の高騰など厳しい経営状況でも、生産者の皆さんは丹精込めて八戸いちごを育てています。

◇八戸いちごを栽培して37年
八戸苺生産組合 組合長 木村武美(きむら たけみ)さん

・「おいしい」がやりがい
おいしくできて高く売れたときはうれしいです。いちごを食べて、笑顔にできて人を幸せにできるって最高でしょ。八戸は、いちごを栽培するのに最適な場所なので37年も携わることができています。八戸のいちごがおいしいという評判が増えてくれると、頑張ってきたかいがありますね。
収穫した次の日には店頭に並べることができるので、他の産地のものとは鮮度が違います。「八戸苺生産組合」のいちごを見つけたら、ぜひ買って食べてみてください。

・1年がかりのいちご栽培
「さちのか」と、今年から「紅ほっぺ」も栽培しています。さちのかは実がちょっと固めで、紅ほっぺは実が大きめなのが特徴です。昨年、自然条件が悪く、組合全体でさちのかの栽培がうまくいかなくて…。前々から紅ほっぺを栽培している人がいたので、私も栽培してみようかなと思い、始めました。組合では、各ハウスへ行って栽培方法や管理の仕方などの勉強会を開いて情報共有しています。いろいろな勉強ができるのが組合・団体としての強みです。
一番大変なことは苗作り。苗を植え終えたと同時に、来年の苗(子株)を作るための親株を1年以上かけて育てます。病気にもかかるし、いろいろなことが起きるので大変です。

・八戸いちごを絶やさない
後継者不足が一番の問題です。農業離れが多いけれど、親の後を継いで頑張っている二十代、三十代の人もいます。農業を知らないところから始めてもいいと思います。いちご作りをやってみたいという熱意があれば、しっかり教えて育てていきたいと思っていますよ。

◇八戸いちごを栽培して11年
八戸農業協同組合 いちご八戸支部 支部長 風穴求(かざあな もとむ)さん

・甘いいちごを届けたい
いちご栽培は、父親が亡くなったのをきっかけに始めました。最初の年は、あちこち聞いて歩いたなぁ。今は「よつぼし」を栽培していて、なんとかして皆さんに甘いいちごを食べさせたいと思っています。よつぼしは酸味と甘みのバランスが良くてジューシー。いちごの基本の糖度は約9%なんだけど、それが13%までいくんだよ。「JA八戸」「青森県産○○(いちごの品種)」といういちごを買って食べてほしい、うまいから!

・手間を惜しまず
ハウスの消毒、苗の植え付け、温度管理などさまざまな作業があるなかで、一番気を遣うのは苗を植え終えたあと。苗を丈夫にしないと病気にもなりやすくなるから、1週間に1回、余分な葉を取りながら大切に育てています。生き物相手だから毎日ハウスに来ていて、晴れているときは6時頃から作業しているよ。結構手間がかかるんだ。最近は孫の野球の応援に行って息抜きしています(笑)。

・ブランド化を目指して
よつぼしを八戸いちごとしてブランド化してもらおうと頑張っています。農協の中で一番先によつぼしを育て始めたのが俺。生産量が増えれば売れやすくなるので、「ハウス1棟でもいいから育ててみて」って声をかけて、他の人も育て始めています。いつか、青森県独自の品種ができたらいいなと思っています。

問合せ:
広報統計課【電話】43-9317(記事について)
農業経営振興センター【電話】27-9163(八戸いちごについて)

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