■「整形外科と超音波診療(運動器エコー)」
寄稿:岸谷 正樹さん(岸谷整形外科クリニック院長)
整形外科の診断技術は進化を遂げ、従来のレントゲン写真から超音波診療へと役割が拡大しています。
レントゲン写真は骨の構造を把握するために古くから使われていますが、筋肉や腱、靭帯などの軟部組織の評価には限界があります。一方、超音波診療は音波を用いて体内構造をリアルタイムで可視化でき、特に関節周辺の炎症や腱の損傷、筋肉の断裂の診断に有用です。超音波は放射線を使用しないため安全性が高く、繰り返し検査にも適しています。また、超音波は迅速な診断が可能で、動的な評価もできるため、関節の動きに伴う異常を精密に特定できます。これにより、診断精度が向上し、適切な治療方法の決定に役立ちます。
また、特定のケースでは超音波が診断の主役となります。麻酔や関節内注射のガイドとしても用いられ、高精度で処置を実施可能です。超音波診療は整形外科で重要なツールとなり、患者の迅速な診断と効果的な治療に貢献しています。
このように、整形外科の診断技術は、レントゲンと超音波の利点を活かし、正確で包括的な診断を目指して日々進化しています。
問合せ:青森市医師会
【電話】017‒777‒1501
<この記事についてアンケートにご協力ください。>