◆「2024年問題」働き方改革で起こること
新年あけましておめでとうございます。大間病院院長の安齋です。今回の病院だよりは新年早々ではありますが、思わず眉間にしわが寄ってしまう「2024年問題」の内容です。
「2024年問題」とは、2019年から進められてきた働き方改革の関連法案が2024年4月から施行され、時間外労働の年間360時間上限規制が適応されることで今までの体制が維持できなくなる諸々の問題の事で、主に運送業・医療業・建設業の3つの業界が大きな影響を受けるといわれています。トラックドライバーが不足することでモノの輸送がこれまで通り出来なくなる、医師の労働時間を規制されることで緊急の患者対応が出来なくなる、道路や建物の完成にこれまで以上に時間がかかるようになる、という可能性があります。
労働者を守るのが目的の「働き方改革」であり、規制に違反すると会社や病院には罰則が科されます。当院ももちろんこの働き方改革に対応しなければならず、医師の時間外労働内容の把握、情報通信機器の導入による業務軽減、多職種へのタスクシフトなど、この5年間で色々と行ってきました。
その一方で当院医師は「産業医」資格も取得しており、北通りの企業へご協力しております。産業医の仕事は企業と契約して「労働者の健康を守る」ことである一方、企業が倒産しないよう企業側の利益へも配慮が必要であるのがなかなか難しい所です。働き方改革が進んできたことで産業医としての業務は増加傾向で、時間外労働が基準を超えた労働者は産業医との面談が必要なため、我々医師は自身の時間外労働が超過しないよう気にしながら、時間外労働が超過してしまった人への対応を行わなければならない状態となりました。
私は、院長として病院が経営破綻しないよう利益を確保しつつ、後輩医師たちを働かせ過ぎることなく現行の救急医療体制を維持し、産業医として契約企業の労働者と面談し、内科医として自身も時間外労働が超過しないよう気を付けつつ、物流(病院の薬品や輸血の入荷状況)や建設(病院の建築改良計画)が滞っていないか動向を見守っていく2024年になりそうです。色んな立場を同時に持ち過ぎて、正直キチンとこなせるか心配しています。
すでに影響は各所で少しずつ出ておりますが、病院を受診される患者様、関係各所にはご不便おかけしないよう努力して参りますので、今年も宜しくお願い申し上げます。
院長 安齋 遥
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