◆ジオパークと再認定審査
豊かな地質遺産と、地域に根付く自然や文化を楽しむことができるジオパークには、「再認定審査」と呼ばれる独自のルールがあります。認定後4年に一度再認定審査が行なわれ、ジオパークに関する知識や経験が豊富な調査員が実際に現地へ訪れ、調査結果を踏まえてジオパークとして再認定するかどうかを決定します。現地調査では、調査員と現地のジオパーク関係者が一緒になって活動の進捗状況を確認し、より良いジオパークにするための議論が行われます。
再認定審査の結果には、再認定(グリーンカード)と条件付き再認定(イエローカード)の2通りがあり、前回の審査で指摘された事項に改善が見られない場合や、活動の進め方、地質サイトの状態に重大な問題があった場合は条件付き再認定となり、2年後に再度審査が行なわれます。この審査でも改善が見られない場合、認定取り消し(レッドカード)となってしまいます。
◆下北ジオパークの歩み
下北ジオパークは、2014年の認定見送り以降、自治体や各種地域団体、住民が一丸となって様々な活動を行ない、2016年に日本ジオパークネットワークに加盟認定されました。そこから4年後の2020年に初めての再認定審査を迎え、認定時に受けた指摘の改善や様々な点で着実な進歩が見られることが評価され、再認定されています。
◆ジオパークの課題と優れている点
下北ジオパークは、仏ヶ浦をはじめ全国的にも知られる地質遺産を有していますが、研究が進んでいない部分も多く、過去の審査でも指摘されていました。この4年間で調査研究を精力的に実施し、仏ヶ浦の形成年代が従来の1600万年前ではなく450万年前であることがわかってきました。まだ明らかになっていない下北地域の研究が、現在も着実に行なわれています。一方で以前から高く評価されている点もあり、こども達の「学習」については下北管内の学校でジオパーク学習が取り入れられジオパークへの認知度も非常に高いことが大きな特徴です。学習活動発表会や、第14回日本ジオパーク全国大会下北大会での口頭発表・ポスター発表など、こども達による積極的な活動が下北ジオパークの強みであるといえます。
◆再認定審査に向けて
第14回日本ジオパーク全国大会下北大会で全国から来訪した方に「地域全体でジオパークを盛り上げるぞ、という想いが伝わってくる」という嬉しいお言葉をいただきました。地域全体で盛り上げる下北ジオパークとして再認定審査に臨んで行きたいと思います。
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