今年の8月30日から9月1日にかけて、むつ市を会場において「第14回日本ジオパーク全国大会」が開催されます。
前回に引き続き、全国大会を盛り上げてくださる方々に、大会に向ける熱い想いを伺いました。
◆蛯子 みのりさん
▽食べたら分かる魅力を、感じてもらいたい
蛯子さんは、東通村にある野牛漁業協同組合の総務課長。大会開催中に開かれる大交流会で外海地まきホタテを提供してくれます。
外海地まきホタテは、津軽海峡の速い潮の流れの中で育つため、とても大きく筋肉質な貝柱となり、しっかりとした歯ごたえが魅力の一つであるホタテです。刺身の切り方にも工夫があり、通常は横でスライスするそうですが、外海地まきホタテは全国的に見ても珍しい縦切り。繊維に沿って切ることで歯ごたえを活かし、一度食べたら忘れない味です。
「全国から来た人に、下北にはこんなにいろいろなところがあるんだなという、そういうお土産のような魅力を発見してもらいたい。そのお手伝いが出来ればいいなと思います。」と蛯子さんはいいます。
▽「力合わせだら、強いもの持ってるんだぞ」
下北は太平洋、津軽海峡、陸奥湾と3方を海に囲まれています。
「育った所も違うし風土文化だって違うかもしれない。感じ方も違うかもしれないけど、力を合わせたら、なんかひとつ、出来る気がする。」と蛯子さんはいいます。
「下北ひとつになろうねって気持ちがあれば、自然とそれがおもてなしになるんじゃないかな。」
◆長谷 雅恵さん
▽「来たときの顔と、帰るときの顔が全然違うと、やったぜ!って感じです。魅力が伝わったんだなって。」
長谷さんは、下風呂温泉おかみの会の会長であり、下風呂温泉郷にあるまるほん旅館の女将でもあります。全国大会では宿泊先の一つとしてご協力をいただきます。
普段から、全国から来た方をおもてなしする立場にいる長谷さん。ずばりおもてなしの心とは何か伺いました。
「自分たちの住んでる地域の魅力にもっと誇りを持って、いろんな地域から来た人にこれいいよって伝えること。立派なものじゃないとおすすめ出来ないんじゃないかな、ということではなくて、それがつまらないものでも、小さいものでもいいんじゃないかな。」
▽「未来につなげる、というのが今、一番の課題かもしれない」
大会テーマである「ジオパークでつながる海大地未来」について、この全国大会を機に未来にどうつなげていきたいかを尋ねたとき、「未来…いろいろなところでたぶん悩みはみんな同じだと思うんですよ。これからどうしたらいいのかって。未来につなげるというのが、今一番の課題かもしれない。」と長谷さんはいいます。
地域としての未来を考えたときに、これから具体的にどうするか、がどこにもないことに不安を覚えたそうです。
「女将たちと話していても、結局今を一生懸命生きる、それしかないよねって。」
ですが、長谷さんは続けて、「女将たちね、すごいんですよ。」と笑って、みんな集まれば話に夢中になってそこから物事が動いていく、それが日々の原動力になっている、といいます。
「未来を考えると、いろんな所につながりを持っていた方がいいと思うんです。何か迷ったときとか、そこから答えを導き出すことも出来るし、助けていただくこととか、逆に助けることも出来るし。」
泊まりに来たお客様とは、その1回きりではなく、リピーターになってくれるお客さんが多く、SNSや電話などで、たまに連絡もとり、離れていてもつながっている感覚があるそうです。
今回の全国大会では、全国から多くの方が下北に来ます。その方たちとの出会いの中で、「今後の未来につながる何かヒントやつながりがお互いに発見できればな」と意気込みを語ってくれました。
食を好きになる、場所を好きになる、人を好きになる。そうするともう一度来たくなる。県内にいる人だけではなく、県外から来る人も、一度下北から出た人も。離れていても思い出してくれる人がいることが、自ずと未来へつながっていくのではないかと感じました。そうしたつながりをずっと大切にしていきたいですね。
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