―令和6年度市長経営方針―
輝く伊東の未来を創る、改革への挑戦
不断の改革に更なる挑戦を続けていくことで、未来を拓く取組(「みんながつくる伊東市」、「みんなが楽しい伊東市」、「みんなが暮らす伊東市」)のより一層の推進を図り、一人ひとりが輝き、夢と希望を形にできる未来の実現に向け、全力で取り組んでいきます。
《テーマ》
ロケツーリズムの未来
今月号では、伊東市が令和2年度から力を入れているロケツーリズムについて、一般社団法人ロケツーリズム協議会の会長で、株式会社地域活性プランニング代表取締役でもある藤崎慎一氏をお招きし、新春対談を行いました。表紙の写真は、近年ロケ地として選ばれることが多く、昨年11月にロケーションジャパン大賞にノミネートされたテレビドラマ『春は短し恋せよ男子。』でも使用された、宇佐美留田海岸で撮影を行いました。
※本文中は敬称を省略しています。
◆藤崎 慎一
(株式会社地域活性プランニング 代表取締役)
(一般社団法人ロケツーリズム協議会 会長)
昭和61年に株式会社リクルートに入社。
地域活性事業部のGMとして全国の地域活性に携わり、スポーツや教育、エンターテイメントを活用したまちづくりの専門家としてさまざまな実績を残す。
平成15年には株式会社地域活性プランニングを設立し、日本唯一のロケ地情報誌『ロケーションジャパン』の発行人として地域と企業のコンサルティングに従事。同時期には、映像作品を支援する全国フィルム・コミッション連絡協議会の企画委員として各地のフィルム・コミッション立ち上げに尽力し、その後はエンターテイメントを活用した地域の魅力発信の手法である〔ロケツーリズム〕を提唱し、一般社団法人ロケツーリズム協議会の会長として全国の地域・企業と映像制作者のマッチングを推進。
《市長》
市民の皆さん、明けましておめでとうございます。
市では、令和2年度から伊東ロケーションサービスを立ち上げロケツーリズムに力を入れています。そこで、本日は、一般社団法人ロケツーリズム協議会会長 藤崎慎一氏をお招きし、ロケツーリズムの未来について話し合っていきたいと思います。藤崎さんよろしくお願いします。
《藤崎》
よろしくお願いします。
■伊東ロケーションサービスとは
《市長》
まず始めに、私から伊東市ロケツーリズム推進事業についてご説明します。この事業は、映画やテレビ番組などの積極的なロケ誘致及び支援により、本市の持つ魅力を広く発信し、地域の活性化を図るとともに、自分たちの住んでいる地域が作品に取り上げられることによる郷土愛の醸成を目的とした事業です。
伊東ロケーションサービスは、このロケツーリズムの推進を目的に立ち上げた組織で、具体的には、ロケの現場支援に加えて放送前後での情報発信、ロケ実績の観光やシティプロモーションへの活用などに取り組んでいます。令和4年度は問い合わせ160件のうち94件のロケを誘致し、事業立ち上げの令和2年度から倍増しています。また、撮影決定率も約59%と高い水準を維持しています。ロケ誘致の取組は市の魅力を知ってもらい、観光客に訪れていただくきっかけとなっていると感じています。また、映像作品に取り上げられたことで地域資源の活用という点でも成果が見られています。藤崎さんには、伊東ロケーションサービスの立ち上げからご尽力いただいていますが、立ち上げ時の苦労などがありましたら教えてください。
■伊東ロケーションサービスの立ち上げ
《藤崎》
伊東市は、ロケツーリズムに取り組み現在4年目を迎えます。率直に申し上げて、この短期間でこれほどの成果が上がっていることは素晴らしいことです。今ではロケ誘致自体はどこの自治体もやって当たり前、日本中どこにでもロケ実績は存在しますが、大事なことは、それを住民や観光客にどう知ってもらうかという点です。地域でセミナーをやると参加者から「私たちのまちではこんな撮影がされた!」ということを言われますが、その痕跡が残っていることはほとんどありません。作品やタレントは著作権や肖像権、パブリシティ権などさまざまな権利で守られていますので、この仕組みを知らずにトラブルになるといったケースはとても多いです。伊東市ではただロケを受け入れるのではなく、受け入れた作品やタレントの発信力を活用してまちの魅力をPRすることを目指して協議会を立ち上げました。協議会には、市役所はもちろん、商工会議所や観光協会、警察、消防、JRといった団体が加盟しています。これはロケはオール伊東でという意思の表明であり、制作者はそうした体制を目当てに撮影を行います。映像制作業界でも伊東市は撮影がしやすいと評判です。我々は外部からロケ地情報誌『ロケーションジャパン』を通じた制作者・観光客双方へのPRを行っていますが、一番大事なのは、伊東市のロケツーリズムをより多くの人に知ってもらい、シティプロモーションにつなげることだと考えています。
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