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“改革への挑戦” 新春対談 2024(3)

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静岡県 伊東市

■今後、伊東市ができること

《市長》
東京からの良好なアクセス環境と、官民一体となってロケを支えている人たちとの相乗効果が生まれている現状が大変良く分かりました。より良い伊東市の未来のために、もっとできることはありますか。

《藤崎》
映画やドラマ、情報番組、CM、MVのロケ地の世界を堪能し、地域のファンになることは、単に観光客が訪れるということだけではありません。その先には、移住者の増加や物が売れる経済効果、まちを知ってもらうシティプロモーションがあります。さらにシビックプライド(郷土愛)の醸成にもつながります。

伊東市は温泉、海、山など、魅力的な観光資源が豊富な地域です。しかし、それらの魅力はほかの地域でも共通しています。そこで、他の地域と差別化できる要素を探すことが重要です。その一つの方法として、伊東市の由来や歴史に着目した観光コンテンツを開発することが挙げられます。伊東市には、源頼朝と八重姫の伝説が残る音無神社や、徳川家光に献上された和田の湯など、歴史や文化にちなんだスポットがたくさんあります。これらのスポットをストーリー仕立てで紹介する体制を整え、制作者たちを呼ぶと、それが聖地になります。そういった聖地をたくさん作ることで、伊東市の魅力をより深く伝えることができるようになります。

一つ例を挙げると、映画やテレビのロケ地として人気急上昇中の長崎県島原市があります。令和元年にロケの受け入れを本格スタートさせてから、大手CMで島原鉄道大三東駅が舞台となり、何もなかった駅が「日本一海に近い駅」として聖地になるなど、映像制作者からも注目されているまちです。

島原市は、東京から飛行機で約2時間、空港から車で1時間半と立地的にはあまり良くない場所ですが、成功している理由の一つに、市長直轄の専門部署である「ロケツーリズム班」があると思います。市長直轄の部署とすることで、ロケの受け入れの判断から対応まで時間を短縮し、ロケを受け入れることができています。私も驚いているのですが、島原市はロケの受け入れをスタートしてから移住者が増えていますが、ふるさと納税も倍増しています。西伊豆町からも話を伺ったことがありますが、情報番組などでまちが紹介されると、必ずふるさと納税のホームページのアクセス数が増加するそうです。ふるさと納税の増加は、事業者にのみメリットがあるように捉えられがちですが、そうではありません。寄附額の一部は市にも入るため、行政サービスの向上につながります。住民の皆さんにも喜ばしいことですので、今後は伊東市でも、ふるさと納税による行政サービスの向上を具体的にシティプロモーションの一環として発信していければ良いのではないかと思います。

《市長》
伊東市では、令和4年度のふるさと納税の納税額は約4億3500万円でした。しかし、まだまだ伸び代があると考えています。ご教授いただいた市内各所の聖地化などロケツーリズムの推進により、ふるさと納税の寄附額の増加にもつながるよう、シティプロモーションの充実を図っていきます。

■読者に向けて一言

《市長》
最後に読者に向けて一言お願いします。

《藤崎》
「どこ出身?」と聞かれたときに、「伊東」と子どもたちが答えます。「ああ、あの伊東ね。」これはシビックプライド、郷土愛につながります。相手が伊東市のことを知っているか知らないかで、印象は大きく変わります。伊東市が良いまちであるなら、積極的に発信していくべきだと思います。我々は応援団です。応援団がいれば、誰かに頼るのではなく、市民の皆さんが自ら立ち上がりルールを守りながら活動することで、多くの人が味方になって、伊東市のファンが全国に広がります。5年後、10年後、50年後の子どもたちが、誇りを持って「ここが伊東だよね」と言えるようになってもらいたいです。そのための手段として、ロケツーリズムを活用し、ぜひ全国一にしていただきたいです。

《市長》
本日は、伊東市のロケツーリズムについてお話しいただき誠にありがとうございました。藤崎さんのお話を伺い、伊東市のロケツーリズムの新たな可能性を感じることができました。本日いただいたご意見を参考に、今後の伊東市のロケツーリズムの推進に全力で取り組んでいきます。

“改革への挑戦”新春対談 完

■伊東ロケーションサービス 事業実績
【ロケ誘致】(令和4年度)
・ロケ決定数…94件
・問い合わせ数…160件
・決定率…59%

【主な作品】(令和5年度)
・春は短し恋せよ男子。(4月期放送)
・真夏のシンデレラ(7月期放送)
・スクール革命!(7月放送)
・帰れマンデー見っけ隊!!(6月放送)
・免許失効せいやが行く!『サイドカー爆笑旅』(8月放送)
・シューイチ(7月放送)
・ポケットに冒険をつめこんで(10月期放送)
・ゼイチョー(10月期放送)

【補助金】(令和4年度)
◆伊東市映像作品撮影事業費補助金(ロケ支援を目的とした補助金)
〇補助割合(1/2)
〇上限額
・市内における撮影延べ日数が20日以上又は市内における宿泊延べ人数が100人以上の映像作品の場合 100万円
・上記に該当しない作品の場合 20万円
〇実績 11件 約477万円
〇補助金を活用した撮影に係る市内への直接的経済効果 約2,400万円

問合せ:秘書広報課
【電話】32-1173

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