メディカル通信

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■乳腺のいろんな病気
外科医　津久井　元

乳腺の疾患として乳腺炎、乳腺症、乳腺腫瘤(しゅりゅう)等があります。
まず、乳腺炎は授乳中に起きる事が多く乳腺の痛み、腫瘤、発赤などの症状を伴い乳汁うっ滞と関係する事が多いです。切開排膿や抗生剤内服の処置になりますがこの間は授乳を控えた方が良いです。
乳腺症は乳腺組織がホルモンに対してアンバランスに反応し、痛みやしこり様の症状をおこします。通常は経過観察になります。診断は超音波検査が有効です。
乳腺腫瘤には良性の嚢胞、線維腺腫等があります。いずれも超音波ではっきりわかります。一般に経過観察で大丈夫ですが大きくなる場合手術する事もあります。
腫瘍(しゅよう)としては乳癌、葉状腫瘍等があります。多いのは乳癌でマンモグラフィーと超音波検査でほぼ診断がつきますが、組織を一部採取して最終診断になります。治療は手術、放射線治療、化学療法になります。
乳癌の手術は全摘出と部分切除に分かれ腫瘍の大きさや個数などによります。一般的に部分切除の時は術後放射線治療が必要になります。手術は侵襲(しんしゅう)が少ないので翌日から食事もできますし歩行もできます。術後も術前と同じ生活が可能です。化学療法は手術前、手術後に施行され進行度等によって計画が決まります。受診する科は外科になります。
乳腺の事で気になる症状のある方は、一度外科外来の受診をお勧めします。

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