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自治体の皆さまへ

友好都市交流事業 姉妹都市ニューポート市訪問滞在記(後編)

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静岡県下田市

■訪問団団長 松木 正一郎
ウクライナ、ガザ地区、アフガニスタンなど世界では今も様々な紛争があり、また、地球温暖化は生態系に深刻なダメージを与えるなど、私たち人類はギリギリの局面にいる。こうした中、超大国アメリカに行って、グローカル・シティとは何か、改めて考える、それが私のもうひとつの目的であった。 
ハリスが創設したニューヨーク・シティ・カレッジは、10人ものノーベル賞受賞者を輩出した名門校だ。そこでは、ヴィンセント学長たちによる温かい歓迎と特別講義が私たちのために実施された。部屋にはたくさんのガラスケースが並び、下田開港の資料(和紙に毛筆書きなど)が多数展示されていて、教育者ハリスのレガシーに感動した。また、その子孫にあたる人が遠くフロリダから来てくれて、来年の黒船祭への参加を約束してくれた。 
ニューポート市は、落ち着いた佇まいの品格ある港町だった。ここではペリー提督の子孫という人とお会いし、同じように黒船祭参加の約束してくれた。
下田ニューポートクラブの澤村理事長、野田副理事長による市民交流の再開も大きな収穫だった。両ご夫妻の素晴らしい対応で、ボートハウスでの歓迎会はたくさんの笑顔がはじけた。
若くて知的なサイ市長は謙虚で親切な人で、野球観戦に誘ってくれた。古くて小さな野球場だったが、それが実に良かった。試合の合間合間に子どもたちのベースランニング競争など様々なアトラクションもあり、私たちは初夏の夕暮れ、木製のベンチに腰掛けホットドックを食べながら、観客たち歓声や笑い声に包まれ、まるで映画のような古き良きアメリカを実体験したのだった。 
下田市は、開港の地としてアメリカとの交流という貴重な資産を持っている。今後も国際交流を深めながら、混迷が広がる世界に向け、しっかりとしたメッセージを発信すべきだ。今回派遣された下中生に続いて下田高校の生徒もアメリカ訪問を行うと聞く。彼ら若者たちの国際化、それはきっとグローカル・シティ下田の未来につながると思います。

■下田ニューポートクラブ会長 澤村 紀一郎
今回の訪問の最大の成果は、三年間のブランクがあったにもかかわらず、両市の関係は一層強固なものになったことだ。これは両市のトップが新しいパートナーシップを見事に確立できたからだと思う。
ニューポート市のサイ市長は三十九歳と若い。アメリカ人特有の多弁型ではないが、対応は丁寧で、心配りのある人と見受けした。
ある日公式行事が終わった後、彼が我々を市民球場で行われるナイターに案内してくれた。セミプロ級の野球で、地元球団が別の市のチームを迎えての試合だ。試合前セレモニーで司会者からマウンドに立つ松木市長が、
「日本の下田から来た、メイヤー・マツキ!」
と紹介されると、数百人の観衆から大きな拍手がわき、「シモダ、シモダ」という声も聞こえた。公式行事や食事会と違って、多くの一般市民からの歓迎に大変感動した。市長も一塁側、三塁野田副会長夫妻側の観衆に手を振って応えた。サイ市長の粋な計らいに心から感謝したい。
今回の訪問で印象に残ったことがある。サイ市長の案内で前回同様、議場を見学した。議員への我々の紹介の後、議会が始まるので退室した。上階から議場を覗くと、傍聴席の市民がマイクの前に立ち、議員席になにか訴えている。案内の市長秘書が説明してくれた。
「市民が一人三分、地域の問題を陳情しているのですよ」
アメリカは直接民主主義の国で、市民のタウンミーテイングが盛んであることは聞いているが、こんな場があるとは予想外だった。 
帰国後、サイ市長にお礼のメールを送ったところ、次の返信があった。 
「下田ニューポートクラブが果たしている役割に深く感謝しています。来年五月にお会いできるのを楽しみにしております」 
当クラブは来年二十周年を迎える。創立以来、両市の友好促進のキーマンとして活躍する進士薫輝理事兼事務局長を中心に、心の通う歓迎を計画したい。

■下田ニューポートクラブ副会長 野田 光男
七年前に初めて訪問したニューポート、高級感のあるリゾート地なのに街の雰囲気はどこか下田と似ていて、たくさんの皆さまからとても温かな歓迎を受けました。機会があれば再度訪問してみたいと思っていたところ、今年7月、二度目のニューポート訪問の機会を得ました。
今回は、四年ぶりの市民交流への期待に加え、前回の訪問時にお世話になった皆さまとの再会、知りえなかったニューポートの魅力をもっと味わえることを楽しみに出発しました。 
ニューポートでは歓迎交流会・姉妹都市交流式典・市長(市役所)訪問・子どもたちとの交流ワークショップ等の行事が行われましたが、どの場においてもニューポート市の市長様をはじめ、議員・市民の皆さまの心温まるおもてなしをいただき、親しく交流させて頂きました。そして、何よりも、短時間でしたが下田でお会いした方々に再会できた嬉しさは格別でした。 
今回の訪問で不思議に感じたことは、二度目の訪問とはいえ、初対面の方であっても、お互いにどこかで気持ちが通じ合えているような感覚でした。
人に初めて会う時には、何となく緊張するものですが、長い間、下田とニューポートの姉妹都市交流で培ってきた「心の交流」は無意識のうちにも共有されていたのではないかと思います。
交流は継続することによって、打ち解け合い、互いを思いやり、より良い関係を築こうと願う心が醸成されていくところに意義があると言われます。
ニューポートの皆さまからも「来年は必ず下田に行きます。」という声をたくさんいただきました。開港170周年となる来年の黒船祭、これからも末永く交流が続くことを願い、心からの歓迎をして差し上げたいと思います。
一緒に参加された中学生の皆さんには、この度の経験を元に広く海外にも目を向け、世界に羽ばたいたり下田市とニューポート市の友好・発展の担い手になったりしてくれることを大いに期待します。

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